第9回 クロージング力とは? …顧客攻略力の強化が受注を獲得する

簡単な確率の問題です。
10件見込案件がありました。
そのうち3件受注し、7件失注。
失注した7件のうち1件受注できていたら売り上げは何%伸びるでしょうか?
答えは、売上33.3%UP

皆さんの会社の見込案件に対する受注率(=クロージング率)は、伸びていますか?
皆さんの会社は、この7件から1件を獲得するためにどのように強化していますか?

様々な企業の営業を見てきて
見込案件に対して「うまく攻められていたら」「ミスがなかったら」受注できたのでは・・・
という案件が非常に多い。

営業社員をそれほど増やせない、販促コストをそこまでかけられない状況では、獲得した見込案件をいかに受注するかが重要。
つまり、「うまく攻める」「ミスをなくす」ことが売上向上には必要です。

~ 「うまく攻める」「ミスをなくす」ということはどのようなことか? ~

クロージング力とは・・・
「顧客に課題と効果を理解させ、競合と比較させながら、様々な障壁を調整させ、購入・導入へと導くこと」= 顧客攻略力

「クロージング力」という言葉は、各社、各人で見解が異なり、非常に漠然としています。

  • 商品を押し込む力
  • 顧客と関係を作り、買ってもらう力
  • 説得する力

・・・
本当に人によって考え方がバラバラです。

しかし、いずれも部分的であり、また、正解とは言い難い。
なぜなら、顧客は、自分で購入を判断するのです。
様々な関係者を理解させたり、予算を調整したりしながら・・・
であれば、クロージング力(受注獲得力)とは、顧客を誘導し、購入へと判断させる力です。

顧客を誘導するためには、顧客がどのようなプロセスで購入を判断し、そこには何が関係し、どのように影響するかを知らなければできません。

~ 顧客を攻略する(=顧客を知り、策を考え、実践する)ためには・・・「己を知りて、相手を知れば、百戦危うからず」 ~

最近、営業社員に担当顧客のアカウントプラン(顧客の情報を分析し、受注を獲得するための戦略や計画)を作らせている企業が増えてきました。
しかし、ほとんどの営業社員が作れない、作ってもその通り実践できていない・・・
そこには三つの原因があります。

【1】顧客に対する知識
顧客が商品やサービスの購入・導入を判断するということは、課題や効果に対して決裁者が理解するだけではありません。
その商品やサービスの利用者や関係する人たちの状況や考え様々な施策に対する投資や予算の状況組織やポジションによる力関係会社や組織の方針や戦略・・・
このような事柄に影響され、調整しながら判断していくのです。
とすると、この事柄をより多く知っていれば、より有効な策が考えられるのです。

【2】策を考える方法
顧客を購入へと促す策とは、上にあげた事柄を調整させ促す策です。
とすると、決裁者や利用者、関係者をどのように理解させ・・・
様々な施策や投資の中でどのように予算を確保させ・・・
組織やポジションによる力関係の中でどのように決定させていくか・・・
という方法を考える必要があるのです。

たとえば、購買担当者が情報システム部門、利用者が営業部門であれば、情報システム部門が考えていることと営業部門が考えていることは異なります。
すると、それぞれを理解させる方法を考えなければなりません。

【3】策を実践する
顧客を知り、策を考え、実践する。
しかし、すべての情報を知ることはできません。また策が適切とは限りません。
そのため「PDCA」が必要です。策を実践し、さらに情報を入手したり、ズレを把握したりして策を修正し、実践する。これが受注へと導くのです。

~ 見込顧客リストで一番多いワード=「返事待ち」「状況確認」 ~

提案後の営業社員に、「A社に対しての次のアプローチはどうする?」
と聞いてみてください。
一番多く返ってくる答えは・・・
「○/○に返事をくれるそうです」「○/○に状況を確認してきます」

今日の顧客が投資を選別し、予算を抑制し、競合との差別化が難しい状況で、「返事待ち」「状況確認」という営業でどれだけ受注できるでしょうか?

顧客を知り、策を考え、実践するという営業をしていれば、少なくとも提案した後に「返事待ち」や「状況確認」という待ち受け型の営業でなく様々な策を講じながら顧客を攻める営業ができるのです。(・・・顧客攻略力)

様々な企業の営業を支援してきて、どの企業、営業組織も売り上げを上げようと必死になっていることはよく理解しています。
しかし、個々の努力、行動量の増加で、どのくらいの売上アップが見込めるでしょうか?
必死に頑張っている営業組織であればあるほど限界が近い。
しかし、組織や営業社員個々の質の向上は、まだまだ余地があります。
「うまく攻められていたら」「ミスがなかったら」という状況を打開するだけでどれだけ売り上げが伸びるでしょうか。

参考資料:「顧客攻略力」を強化し受注を獲得する方法(株式会社セントリーディング Webサイト)

次回は9月5日の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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