第37回 新規案件に対する営業計画とは…6カ月後には計画がなくなる

期初に営業計画を策定し、営業活動をスタート…
6カ月後の営業会議のシーン
今期が終わるまであと半年…

売上目標1億円に対して現在3,000万円受注で、残り7,000万円。
見込み案件を全て受注して5,000万円。全部受注できても8,000万円。

マネージャー : 「このままだと目標に届かないけれどどうする?」
営業社員   : 「見込みが足りないから新規訪問件数を増やします」
マネージャー : 「新規の訪問量を増やして7,000万円いくの?」
営業社員   : 「見込み案件を全て受注したら、あと2,000万円だから」
マネージャー : 「でも見込み案件を全部受注できないだろう」
マネージャー : 「見込み案件からの受注は3,000万円ぐらいじゃないか?」
営業社員   : 「でも、新規を増やさないと目標に届かないからな」
マネージャー : 「じゃあ、この前の展示会の来場者へアプローチするように」

このようなシーンがけっこう多く見受けられます。

「でも、新規を増やさないと目標に届かないから」は
=目標を達成できるかわからないけど「やれるだけやります」ということです。

目標は一応あるけれど、目指していない、目指せない…
その結果、計画もたてられない、対策もたてられない…
つまり、「どうしたら目標を達成できるか」ということを考えることをやめて
手当たり次第に頑張りますということです。

この「やれるだけやります」は一番売上が伸びないパターン…
仮に目標を達成したとしても、運よく大型受注が入ったときぐらい…

このマネージャーと営業社員のやり取りの中にいくつ問題があるでしょうか?

・期初に策定した計画はどうだったのか?
・新規の訪問量を増やすことで受注を獲得できるのか?
・新規の訪問量を増やすという対策が目標達成に適切か?

今回は、この三つに関する期初の計画についてお話しします。

目標を達成できるかわからないけど「やれるだけやります」という状況は
期初の計画に問題があることが多いのです。

期初の計画では売上目標に対して、以下の二つを検討しているでしょう。
(1)期初時点での見込み顧客に対する計画
(2)新規案件の獲得に対する計画(新規マーケットやミッションを含む)

(1)は、
・案件ごとに顧客の検討状況、予算、決裁者、競合などを考慮し
客観的な判断ができているか?
・その客観的な判断に対して適切な営業方法を考えられているか?

(2)は、
・ターゲットのニーズや競合状況、自社・自身の環境や状況から
客観的な計画を考えられているか?

(1)も問題はあるが、 (2)の問題が特に多い…

よくあるパターン1
「売上目標に対してアプローチや新規訪問件数を考えているが無理がある」

「無理がある」原因A
営業はトラブルや顧客対応など突発的なことで時間をとられるもの。
その突発的なことが起こることを見込んでいない。
「トラブルがあったので新規訪問できませんでした」という言い訳をよく聞きます。
そもそもトラブルや顧客対応があることを見込んで考えなければなりません。

「無理がある」原因B
無理だとは思っているが、意気込みだけで計画を考えている。
これは、実行不可能。

よくあるパターン2
「計画した訪問量では売上目標は達成しない」

「計画した訪問量では達成しない」原因
これは、前述の「無理がある」とは逆に、
自身の環境や状況から活動量や訪問量を計算し、目標と調整している。
自身の環境や状況から活動量を考えているが、
目標達成に対して適切か考えられていない。

新規案件に対する営業計画は以下の手順で検討する必要があります。

【1】:売上目標から確率で提案件数、商談件数、アプローチ件数を考える。
はじめに、過去のデータや市場環境などを考慮し、
売上目標に対して確率から必要な提案や商談、アプローチ件数を考えることが必要です。

【2】:【1】に対して実行性を考える。
この実行性は、前述の【1】に対して自身の環境や状況を踏まえ、
実行可能なアプローチ件数を考えることです。

【3】:【1】と【2】のギャップを把握する
【1】と【2】を比較すると、【1】の件数に対して【2】では足りないことが多いのですが、
その【1】と【2】のギャップを明確にすることが大切です。

【4】:【3】の対策を考える
【3】が明確になったときに初めて新規案件に対する営業計画の施策や対策を
考えることができます。
展示会やセミナーなど販促施策を有効活用することや、
以前訪問した顧客や休眠顧客へのアプローチ、提案内容の見直しなど…
営業計画の策定では、この【3】の対策を考えることが最も重要なのです。

多くの営業組織を見ていると
・【1】は考えられているが、【2】はあいまい
・【1】を考えずに【2】から目標との整合性を調整している
・そもそも【1】【2】を考えていない
・【1】と【2】を考え、【3】もわかっているが【4】を考えていない
という計画が多く見受けられます。

このような計画では、忙しい中一生懸命作ったのに6カ月後には、
…目標を達せきでるかわからないけど「やれるだけやります」
という状況になってしまいます。

4月以降の営業計画を振り返ってみてはいかがでしょうか?

≪お知らせ≫

4月に課題解決型営業、提案営業の営業手法やノウハウ、テクニック、帳票・テンプレートを配信する「営業ポータル」がスタートします。
ご興味のある方はお問い合わせください。

営業スキル・マネジメント・営業戦略・改革を支援する営業ノウハウの総合情報サイト「営業ポータル」(セントリーディング様Webサイト)

次回は5月13日(水)更新予定です。

関連するページ・著者紹介

この記事のテーマと関連するページ

営業支援システムテンプレート

一件一件のお客様とじっくり商談を行う、案件攻略型営業スタイルにピッタリの営業支援システムです。詳細の案件情報管理によるステップを踏んだ戦略的営業スタイル、部門・担当者ごとの予実績管理による数字の組み立てなど、大塚商会の営業ノウハウの一端を組み込んだシステムです。営業力強化に取り組みたい企業におすすめです。

営業支援システム(SFA) 営業日報管理(Daily Report)テンプレート

「営業日報を手書きやExcelで管理しており、顧客ごとの商談が分からない」「訪問件数は多いが実績が上がらない」このようなお悩みをお持ちの方向けに、おすすめのシステムです。1日の営業日報を登録するだけで、顧客ごとの商談経緯を把握でき、効率化のポイントが分かります。ルート型営業に最適です。

この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

公式Facebookにて、ビジネスに役立つさまざまな情報を日々お届けしています!

お仕事効率研究所 - SMILE LAB -

業務効率化のヒントになる情報を幅広く発信しております!

  • 旬な情報をお届けするイベント開催のお知らせ(参加無料)
  • ビジネスお役立ち資料のご紹介
  • 法改正などの注目すべきテーマ
  • 新製品や新機能のリリース情報
  • 大塚商会の取り組み など

お問い合わせ・ご依頼はこちら

詳細についてはこちらからお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

0120-220-449

受付時間
9:00~17:30(土日祝日および当社休業日を除く)
総合受付窓口
インサイドビジネスセンター

ページID:00080458