第6回 新規開拓営業で成果を上げるためには?

今日の既存顧客の投資抑制、予算の削減、競争激化による価格の下落といった状況で売上を維持、拡大していくためには新たな顧客の獲得や新規マーケットへの拡大が必要になっています・・・

そのため、セミナーや展示会、TELアポやWEB、DMなどによるダイレクトアプローチ、パートナーや代理店への営業強化を進めています。
しかしなかなかうまくいっていない・・・

新規開拓営業の進捗状況を見てみるとほとんどの会社が以下のような状況。

・ 多くの顧客とコンタクトはできているが具体的な案件が少ない
・ 案件は獲得できているがなかなか受注にならない
 ・・・決裁してもらえない、競合に負けてしまう
・ そもそも活動できていない、アプローチできていない

~ なぜ、うまくいかないのか? ~

それは新規開拓営業を適正に考えられていないからです。
新規開拓営業とは、以下の状況で実践するものです。

・ 自社は取引実績がなく、信用が低い
  ⇔ 取引実績があり、信用のある会社(既存取引先)が他に存在する
・ 営業は顧客の検討課題や計画をあらかじめ知ることができない
  ⇔ 検討課題や計画を収集できる会社(既存取引先)が他に存在する
・ 顧客は多くの課題を抱え、優先順位をつけて検討している
・ 商品の差別化や優位性を明確にしづらい、理解させづらい

このような状況の中でターゲットを絞って営業していたとしても…
やみくもに多くの顧客とコンタクトして、
 ・・・提案したい商材を優先的に検討してくれる顧客がどのくらいいるでしょうか?
仮に検討してくれる顧客にあたっても
 ・・・差別化や優位性を理解してくれる顧客はどのくらいいるでしょうか?
高額商材であれば、すぐに予算を確保してくれる顧客はどのくらいいるでしょうか?

~ 成果を獲得できる新規開拓営業を実現するためには ~

上記新規開拓営業の状況を踏まえると下記三つのポイントを考える必要があります。

1.売りたい商材(受託ビジネスも含む)を検討させられる営業プロセスとは?

『アプローチできる人でなく、アプローチすべき人』
・・・顧客の誰(部門や役職)であれば課題を理解し検討を進めることができるか?

一般的に、より多くの顧客にアプローチすることばかり考え、アプローチできる人を中心に考えていることが多い。
しかし、受注を獲得には、まずは誰にアプローチすれば受注を獲得できるのかを考え、そしてそのアプローチすべき人にコンタクトするためにはどうアプローチすべきかを考えなければなりません。
今までのセミナーやWEB、TELアポなどのダイレクトアプローチの方法、切り口や訴求内容はいかがでしょうか?

参考資料:「顧客攻略力」を強化し受注を獲得する方法(株式会社セントリーディング Webサイト)

『商品を理解させる営業でなく、課題を検討させる営業プロセス』
新規開拓営業では顧客の情報が少ないため、課題の提起や発掘ができず、
どうしても安易な商品案内や状況ヒアリングになってしまう。
その結果、たまたま自分に都合の良い課題を検討している顧客を探している
・・・前述しましたがこれでは非常に確率が悪い。

確率を上げるためには商材に適した課題を理解させ、検討させる営業が必要です。

※参考資料(課題解決型営業のプロセス):http://www.centleading.co.jp/KT10.pdf

2.新規開拓営業を促進できる体制になっているか?

『既存顧客営業と新規開拓営業は異なる』
顧客との関係、顧客から収集できる情報の量、自社に対する理解や信頼…
これは既存顧客営業と新規開拓営業とでは全く違います。
すると、必要なスキルや進め方、営業マインド、管理方法も異なります。
それなのに、意外と既存顧客営業と新規開拓営業を一緒に任せている会社が多い。
また、既存顧客営業に携わってきた営業社員に何の教育や指導もせず、
新規開拓営業をやらせているケースが多い。

3.そもそも事業や商材を考えたら新規開拓営業をどのように考えるべきなのか?

意外とこれができていない。そのため計画や戦略に無理がある…
会社は年度ごとに予算を立て目標や計画を立てている。これは当然のことです。
そのために、新規開拓営業の目的が

・ 今期の売上
・ 今期での投資回収

事業や商材、市場環境を考えるとこれは可能なのか?
本当はもっと重視しなくてはいけないことがあるのでは?

これを無理に追求するあまり、アプローチや商談の量ばかり重視し、
上記1の「売りたい商材を検討させられる営業プロセスとは」が希薄になる。

その結果、売上が上がらない
それだけでなく、来期も顧客数や案件数が増えていない
そして、翌期も一から顧客へアプローチしなくてはならない、またはあきらめる

あくまでも事業によってではありますが、新規顧客開拓営業において今期の売上よりも中期的に売り上げを拡大できる顧客基盤の拡大が重要なのではと思う会社も多い。今苦労しているのは、今期のせいではなく前期までにできていなかったからです。2年後、3年後にそうなっていないよう今考えなければならないのではないでしょうか?

会社にとって「新規顧客の増加」とはどのような意味があるのか?
そのためには、中期的にどうなっていたいのか?
そして今期何をしなくてはならないのか?

次回は2012年6月6日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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