第27回 コイルセンターにおける「標準化」と「自動化」とは

最近の飲食業界の自動化・標準化には驚くばかりの進化が見られます。
まず入店するとタッチパネルタイプのメニューオーダー用端末があり、注文を受けるだけではなく、上位システムとのデータ連携により厨房へのオーダーの情報の提供ばかりか、売上情報のデータ集計等も行っています。

そして、オーダーされた食品は決められた手順(標準化された手順)により調理されます。
回転寿司に至っては自動寿司握り機が活躍し、通常の回転している寿司以外に指定してオーダーされたものは通常とは別のレーンで提供され、最終的には食べ終わった皿につけられたRFIDタグを早く正確に読み取ることで「お勘定」が完了します。
少し想像しただけでも「注文」から「お勘定」までの流れには多くの自動化・標準化の工夫がなされており、さらに客側から見えない裏の部分でもいろいろな工夫がなされています。

ここで重要なのはお客様が注文したオーダーを「間違いなく提供する」ことです。
これはオーダー通りの注文をお客様が期待する品質(味・見た目)と価格で、滞りなく提供することを意味します。
これから説明させていただくコイルセンターの自動化と標準化でも「間違いなく提供する」ことが重要なキーワードとなります。

◆コイルセンターにおける「標準化」・「自動化」を考える
コイルセンターでの常套(じょうとう)句に「Q・C・Dの徹底」という言葉があります。これは、単純に高品質・低コスト・短納期をいうのではなく「適正なQ(要求品質)・C(適正コスト)・D(納期通り)の徹底」をどのような状況下でもいつでも間違いなく保障することを指します。そしてコイルセンターの「Q・C・Dの徹底」では、自動化と標準化が重要な役割を果たしています。

例えば自動化では自動シャーリングでの単純な繰り返し作業対応や自動刃組での労務負荷が大きいものに対しての検討が図られ、同じ条件での均一した加工結果が得られるようになっています。
また、長年の企業経験から積み重ねられ日々見直される標準化手順も非常に重要です。
システム化された受発注機能や加工・品質管理機能だけではない現場から育て上げてきた生産技術が製品に織り込まれていきます。
そしてその技術は決められた標準作業として標準作業書に明記され、共有され手順通りの作業として行われます。
誰が作業しても同じようなQ・C・Dが保障される工夫がなされているのです。

ただし、標準化・自動化共に気づかぬうちに時代遅れとならないような外部環境との適合性の定期的なチェックが重要となります。
特に自動化に関しては、ブラックボックス化によるメンテナンス・設定変更が困難となるソフトウェアへの危険性回避と、自動化方法自体の操作方法が旧式化してしまうハードウェアでの陳腐化を避けるためにも、機能面からの定期的な検討が更なる自動化への発展に必要だと思います。

次回は3月14日(金)更新の予定です。

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この記事の著者

三由 浩司

株式会社CANVASは 2018年12月、株式会社日本金城印へ事業を移管いたしました。
鉄鋼流通・コイルセンターにおける業務全般(営業・生産・IT)のコンサルタントを中心に製造業全般の提案活動を実施。国内外における複数コイルセンターの標準化システム構築実績有。
株式会社日本金城印

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