第23回 工場レイアウト変更のポイント

多くの鋼材流通(コイルセンター、特約店等)の現場は、高度成長期の急激な発展とともに拡大してきたため、いびつで非効率なレイアウトとなっているケースがよく見られます。

そのほとんどは最初に工場建屋があり、扱い量が増えていくごとに建屋を継ぎ足ししていったケースです。
無理にでも継ぎ足せているうちはよいのですが、土地がない場合は第二工場のような飛び地(工場)での操業を余儀なくされ、作業効率が低下するばかりか安全面での不安もぬぐえない場合がよく見受けられます。

もちろんこのようなレイアウトはある意味で常に変化し続ける外部環境に対応して企業が成長してきた証です。
今ある環境は、限られた工場内を知恵と工夫で作り上げた作業空間であり、その企業にとってかけがえのないノウハウが凝縮された生産現場と言えます。

しかし、この生産現場に今の外部環境とマッチしていない部分がないか再度検討してみてはいかがでしょうか。
このマッチしていない部分を再度洗い出し、抜本的なレイアウト変更ができれば大幅な作業効率の向上につながります。

【見直し例】

  • 量産受注していたころフル稼働していた生産ラインで、受注が小ロット化し稼働率が大幅に落ちているものはないか。
  • 大型の梱包設備で客先からの梱包費削減要求で現在利用率が低いものはないか。

当然、受注内容こそ変化しているが今も受注があり、その設備でしか対応できないものもあると思います。
ただ一方で設備関連は客先要望および稼働率から設置場所変更・設備撤去(外注利用・受注中止)を総合的に判断する必要があると思います。

さらに、母材・製品にかかわらず新たな外部倉庫や立体倉庫の利用方法を検討していくことで、安全性や作業効率に配慮したレイアウト変更ができると思います。

工場のレイアウト変更は、単純に置き場を変更するだけではなく、設備設置場所の見直し・置き場管理方法の見直しなど多くの点に配慮する必要があります。
これらを事前に検討し、常に現状を把握しておくことが自社の資産(置き場)の有効活用につながるのではないでしょうか。

次回は11月15日(金)更新の予定です。

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この記事の著者

三由 浩司

株式会社CANVASは 2018年12月、株式会社日本金城印へ事業を移管いたしました。
鉄鋼流通・コイルセンターにおける業務全般(営業・生産・IT)のコンサルタントを中心に製造業全般の提案活動を実施。国内外における複数コイルセンターの標準化システム構築実績有。
株式会社日本金城印

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