大塚商会が音声コミュニケーションを刷新。年間2億円の経費削減と業務の効率化を実現
大塚商会は、社内の電話設備、回線、携帯端末など音声コミュニケーション環境のあり方を見直した新しいシステムを構築、運用を開始した。これにより、運用管理コストや通信費など年間2億円におよぶ経費削減が見込まれるのに加え、円滑なコミュニケーションによる業務の効率化が実現されるという。
〈2010年6月取材〉
企業が事業活動を行うには、固定電話や携帯電話など音声コミュニケーションの手段を欠かすことはできない。そのため、音声コミュニケーションに必要な通信費用、システムを運用管理するための保守費用は、毎月の必要経費として詳しくレビューされることもなく、通信事業者から届く請求書に従って粛々と処理されてきた。
しかし、最近の電話料金体系は、さまざまなプランが用意されている。インターネット回線を利用したIP電話などの技術も普及しつつある。音声コミュニケーションにかかる経費は、本当は削減することができるのではないか。そんな疑問の解決に前向きに取り組んだのが、大塚商会である。
次世代にふさわしい音声コミュニケーション環境を構築しようという大塚商会の取り組みは、2003年1月に現在の本社ビルが竣工する数年前に始まった。まず最初に行ったのが、内線化によって固定電話のコスト削減を目指す取り組みだった。
「当社が所有するIP専用線網とTDM(Time Division Multiplexing=時分割多重化)技術を利用し、全国44カ所の事業拠点の内線化を行いました。その後、本社ビルの竣工を契機に、 PBXにVoIPゲートウェイ機能を付加する技術に切り替えて内線化を継続しました。」(トータル情報システム室 次長 浅野目雅昭氏)
その2〜3年後、制御装置によってVoIPを集中管理するIPセントレックスが注目されると、それを全社に適用できないか検討したという。しかし、時期尚早という結論でいったん収束したという経緯がある。
「ところが、2005〜6年頃に構築したシステムも、必然的に陳腐化していきます。機は熟したということで、IPセントレックスに改めてチャレンジしようと考えたわけです。その際、電話を管理する総務部門では対応が難しいため、情報システム部門のLAN/WANを担当するインフラ部隊が構築を主導しました。」(浅野目氏)
情報システム部門では、大塚商会の全国全拠点を内線化するためのシステム構築に着手した。同時に、社員全員が社員番号に基づく1人1番号を所有し、人事異動があっても内線がかかる仕組みも導入することにしたという。
しかし、内線化と1人1番号だけでは業務の生産性向上という点ではコストメリットが出ているものの、投資額全体から見ると投資対効果は十分だとは言えない。そこでさらに大塚商会が考えたのが、携帯電話との連動、および回線を供給する通信事業者が用意している割安料金プランの利用などの施策だったという。
トータル情報システム室
次長 浅野目 雅昭氏
新しい音声コミュニケーション環境は、まず全国各拠点の設備を順次リプレースし、主装置を本社だけに置くことで運用管理を一元化するというインフラ構築から始められた。これによってIP電話を全拠点に展開して内線化を実現するとともに、移設のたびにかかっていた電話工事費を削減。その効果は、年間1,800万円ほどの経費削減になると試算する。
また、電話設備の展開と同時に電話回線をソフトバンクテレコムへ切り替えた。大塚商会は、回線の選定にあたり複数の通信事業者に対して提案を依頼。比較検討の結果、法人向けの割安料金プランが充実しているソフトバンクテレコムに決定したという。大塚商会では通話件数の約3割が社内間の連絡だが、契約したプランでは、固定から固定、固定から携帯、携帯から固定、携帯から携帯の4方向の社内通話は固定費払いが原則になる。この経費削減効果は非常に大きく、年間1億1,000万円にもなるという。
さらに、携帯電話をWindows Mobileを搭載したスマートフォン「X01SC」に統一。Windows Mobileを選択したのは、グループウェア連携などデータ通信の活用を図るために自社開発のクライアントアプリケーションを移植しやすいからだという。携帯電話も定額サービスなどの利用により、年間7,300万円の経費削減を見込んでいる。これらで合計約2億円の経費削減効果が得られることになる。
今回のシステムは、ハードウェアと回線をまとめてプロジェクト化し、構想が約1年半、実装を約2年展開。2010年7月に新事務所に移転する広島支店を最後にすべて導入を終えるという。
「比較的短期間のうちに新しいチャレンジに取り組み、構築できたのは、技術力がある情報システム部門が存在することと、販売に際しお客様に安心してご利用いただくために、当社が商品やサービスを自ら利用しさまざまなノウハウを蓄積する必要があったことなどが挙げられます。」(マーケティング本部通信ネットワークプロモーション部 ブロードバンドプロモーション課 課長 笠原淳一氏)
しかし、決して大塚商会だからできたというわけではない。小規模な事業拠点しかない企業であっても、固定電話と携帯電話さえ使っていれば、必ずや経費削減と業務効率化を実現できるのだ。
そのため大塚商会は、今回自社で構築した音声コミュニケーションの展開をこれで終わりにするのではなく、構築によって蓄積した音声コミュニケーションに関する総合的なノウハウを、大塚商会の顧客企業向けにソリューションとして提供していく計画だという。
マーケティング本部
通信ネットワークプロモーション部
ブロードバンドプロモーション課
課長 笠原 淳一氏
「今、いろいろなメーカーや販売店が、通信コスト削減の提案を行っているようですが、固定電話も携帯電話も定額で使えることをご存じのないお客様が多いというのが実情です。分かりにくいからと先延ばしにするお客様もいらっしゃいます。それならば、もっとお伝えしなければいけないという気持ちを原動力とし、お客様に最適な音声コミュニケーションのソリューションを用意していこうと考えています。また、通信コストがどの程度削減できるかの診断も実施しています。」(笠原氏)
笠原氏によると、診断の結果、プランを変更するだけで多くの企業が30%以上の通信コスト削減が可能であるという。通信コストの削減については、全ての企業で一度検討する必要がありそうだ。
システム構成図
ソフトバンクテレコムが提供する固定電話サービス。番号・品質を変えずに、全国一律料金(税別7.9円/3分)の格安料金で利用可能。
2008、2009年度2年連続純増No1の実績。ソフトバンク携帯同士であれば通話無料(1- 21時)。
おとくラインとソフトバンク携帯の通話を無料にするオプションサービス。事務所と外勤者との連絡が無料となり、大幅な経費削減が可能。
電話・FAXによるお問い合わせ
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