情報資産管理分野のソフトウェア開発をビジネスドメインの中核に据えるクオリティ株式会社。そのノウハウにユーザから寄せられた要望を取り入れて完成したのが、クライアント操作ログ取得ツール「Quality Operate Hawkeye(QOH)」だ。新製品について、クオリティ株式会社 取締役の百武 達也氏、グローバル・セールス&マーケティング本部の営業2部部長山田 勝志氏に話を伺った。
クオリティ株式会社は1984年、ソフトウェアやハードウェアのドキュメント翻訳やマーケティング資料作成など、ベンダー支援事業を担う企業として創業した。その同社がソフトウェア事業を本格化させたのは、米ササフラスソフトウェアのライセンス管理ツール「KeyServer」の取り扱いを開始してからだった。KeyServerは、組織が所有するソフトウェアライセンスを一元的に管理し、使用中のライセンス数を計測するソフトウェア。同時利用者数がライセンス数を超えたとき、あるいは不正なライセンスのソフトウェアが導入されたときに、ソフトウェアを起動しないように制御する機能を備えている。このソフトウェアの販売を手がけたことにより、クオリティはソフトウェアベンダーへと大きくシフトすることになる。
「KeyServerはクライアント/サーバ型のソフトウェアで、ライセンス管理を行うすべてのPCにクライアントモジュールを導入しなければなりません。PCの台数が多かったり、全国に事業拠点があったりするお客様は、導入するだけでも大変な作業になります。そこで、KeyServer のクライアントモジュールを簡単に導入するために開発したのが、現在の当社のフラッグシップ製品であるIT資産管理ツール『QND Plus』です。QND Plusは、お客様の声を集約しながらインベントリ収集、リモートコントロールなどの機能を追加していきました。それとともに、QND Plusを補完する管理ツールやセキュリティツールも製品化しました」(百武氏)

そうしたQND Plusを補完するツールの一つとして求められたのが、ログ管理ツールだった。
「2005年の個人情報保護法施行を前に、個人情報保護を実現するクライアント操作ログ管理ツールのニーズが高まりました。そこで、お客様にいち早く提供しようと販売したのが、他社製品をOEM調達した『eX CLT』というツールでした」(百武氏)
ところがeX CLTはOEM調達だったため、ユーザから不具合の指摘があっても即応することができなかった。クオリティ自身が手を加えることのできる範囲も限定される。そこでクオリティでは、ユーザのニーズに対応したログ管理ツールを自社開発することにした。その製品が「QOH」だ。
「当社は、eX CLTの失敗を非常に重く受け止め、大きなリソースを割いてログ管理ツールを一から作り直しました。開発を開始したのは競合他社よりも遅くなりましたが、そのぶん不具合が発生しやすい部分を把握した上で開発することができました。もちろん、自社開発ですから、問題が発生した場合の修正も、従来製品に比べて格段に早く対応できるようになっています」(百武氏)
特に大きく改善されたのが、パフォーマンスの部分だという。
「ログ管理ツールは、膨大なログが毎日蓄積されます。ログがたまればたまるほど、データベースのパフォーマンスは落ちていきます。そこで QOHには、ある一定量ごとにデータベースを分割する仕組みを組み込み、データベースのパフォーマンスを損なわないようにしています。また、収集したログをコンソール上に表示する処理速度を高速化しています。これに関しては、お客様からも速いと評価していただいています」(山田氏)
QOHは、ドキュメントアクセス、ファイル操作、Webアクセス、メール送受信など11種類のクライアント操作ログを取得、蓄積する機能を提供している。万一、情報漏えいなどのセキュリティ事故が発生した際には、このログが証拠証跡として扱える。操作ログは、グループ単位で収集することが可能になっており、部署の特性に合わせた運用も可能だ。
現在、クオリティが販売しているバージョンは、ログの取得と蓄積に重点を置いた製品だが、年内に登場する新しいバージョンでは監視機能や検索機能が大幅に強化されるという。
「新しいバージョンでは、ポリシーをあらかじめ設定しておき、ポリシーに違反する操作ログに関して、リアルタイムあるいは設定した一定期間内においてアラートを出すという監視機能を大幅に強化する予定です。また、ログを串刺しで検索できる機能が追加され、同じユーザが操作した流れをつかむことができるようになります」(山田氏)
ログはただ単に取得すればよいわけではない。統制の一部として機能させることが重要だと百武氏は話す。そのための機能を拡充した新バージョンに対し、QOHユーザ企業だけでなくクオリティ自身も大きな期待を寄せている。
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