その業務は本当に効率的ですか?

全体最適化を目指した業務が、部分最適になっていることはありませんか?

「ザ・ゴール」という本を元に、ボトルネック工程を見つけて工場内の現場改善を行われている企業も多いと思われます。しかし、よかれと思われた業務の見直しも、さほど効果が出ていないという声も聞かれます。

なぜ、効果が出ていない場合もあるのでしょうか?本日はある鋼材業のお客様を事例として、全体最適が部分最適となっていたケースをご紹介させていただきます。

鋼材業のA社様では、鋼材に熱を入れ伸ばすという加工を行っています。A社様では、最初の工程で、鋼材に熱を入れる作業が発生します。熱を入れる工程では、鋼材ごとにスピード・時間等の段取り替えが発生することから、まとまった本数を投入し段取り時間を少なくし、効率化を図っていました。しかし、納期遅れが発生し残業・休日出勤での対応が続いている状況でした。

A社様では何が問題だったのでしょうか?

まず、納期遅れの要因としては、優先順位が分からなくなっていたことが挙げられました。現場を見学したところ、仕掛在庫が積まれている工程がありました。その工程では、鋼材を伸ばす作業を行いますが、鋼材が重たいこともあり、先入れ先出しでの作業が徹底されていませんでした。

また、必要数のオーダーだけでなく、最初の『熱入れ』工程をバッチ作業でまとめて行っていたことから、優先度の高くない加工指示も混在して工程を流れており、仕掛在庫が増えていたのです。

ボトルネックと思われていた、『熱入れ』工程の段取り作業を効率化したことが裏目となり、仕掛在庫が増えてしまい、『伸ばす』工程前での先入れ先出しの段取り時間がかかるようになってしまっていたのです。A社の実際のボトルネックは、倉庫内のスペースだったのです。
 
ボトルネックとは、流れ・作業の中でその処理能力が、与えられている仕事量と同じか、それ以下のリソースを表します。そして、ボトルネックを見つけて改善することの最大目標はいかにスループット(≒売上)量を増やすかです。ボトルネックを見つけて改善しても、流れが悪くなっていれば、全体最適ではなく部分最適となってしまいます。

また、ボトルネック工程を一度適切に改善して終わりではなく、継続的なカイゼンを行い続ける必要があります。「ザ・ゴール」では、改善のステップを以下のように説明しています。

 (1) ボトルネック(制約条件)を見つける
 (2) ボトルネック(制約条件)を活用する
 (3) ボトルネック以外の工程を、ボトルネックの効率が最大化するよう改善する
 (4) 設備の増強等でボトルネックの処理能力を強化する
 (5) 再度、ボトルネック(制約条件)を見つける

最後の、再度ボトルネックを見つけるという工程が重要となるのです。

まずは、改善のステップ(1)であるボトルネック工程を見つける作業を行ってみませんか?弊社では、全体最適の視点で貴社のカイゼン活動をお手伝いさせていただきます。

この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

杉山 祐二

平成14年入社。アプリケーションSEとして6年間、業務システムの開発・運用に従事。その後、コンサルティング部門で業務改革コンサルティング、システム企画に携わり現在に至る。日々、お客様目線で何が出来るのか頭をフル回転させ奮闘中。

ケーススタディ バックナンバー

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