業務の見える化の進め方<4>「業務の標準化」

前回、「現状業務の負荷調査」について書きましたが、今回は標準化という点に関しての紹介をしたいと思います。

1回目に、業務の見える化では、PDCAのCができることが大事であり、そのためには

1.業務手順が明確になっていること。
2.業務手順が周知されていること。
3.業務負荷(所要時間)標準が設定されていること
4.日々の中で手順の逸脱、業務負荷の異常が発見できること。

の4要素をそろえなければならないと書きました。

今回の「業務の標準化」は、

1.業務手順が明確になっていること。
2.業務手順が周知されていること。

に該当します。

 業務の標準化には大きく二つのアプローチがあります。それは、現状業務踏襲型(As-Is型)と業務改善型(To-Be型)です。後者は、業務改革手法を利用しながら構築していくものです。業務改革に関しては、別の機会に委ねるとして、今回は現状業務踏襲型に関して紹介したいと思います。

現状業務踏襲と表現していますが、今あるものをすべて正とするわけではありません。あくまでベースとするという考え方です。

まずは、業務毎にベースとなる業務拠点を選定します。選定に際しては、代表的な処理パターンが存在するかどうかを考えます。また、複数の従業員が実施している場合、個人による差異がない(少ない)という視点も重要となります。

選定した拠点の該当業務に関して、業務フローと業務ルールの文書化を行います。業務フローでは、InputとOutputが統一できているかを主眼とします。パターンによって差異はありますが、ある業務処理に必要な情報、処理後に作成される情報が、標準化されている必要があります。

システム利用の場合、概ね担保される内容ですが、エクセルや手書き(メール)などの利用の場合、つど臨機応変にといったことのない様にすることが重要です。

業務ルールに関しては、手順でなく処理パターンのルールを明確にすることが重要となります。以前、「数字は嘘をつく~システム編~」で紹介しましたが、企業の業務処理にはさまざまなパターンがあります。そのパターンごとに業務処理方法が統一されていなければなりません。直送扱いの受注を受け付けた場合の日付の設定や、手配の方法・タイミングなどが個人でバラバラであれば、標準化されているとはいえません。

また、実態を把握することもできません。すべての業務処理に詳細のルールを設定し、文書化する必要はありませんが、得意先サービスや利益管理に影響する業務では、詳細ルールの明確は必須ではないかと思います。

ここで、作成された業務フロー・業務ルールを現場に落とし込んでいきます。これは、一朝一夕にできるものでは無いので、定着期間というものを設定します。この定着期間のなかで、周知徹底を進めていきます。周知徹底していくために重要なことは、研修・指導異常にエラーの発見と是正になります。

エラーの発見の仕組みづくり、是正のためのPDCAに関しては、次回にご紹介いたします。

次回は、2012年6月4日 業務の見える化の進め方<5> エラーの発見と是正 です。 

この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

山内 良治

オーダーシステム開発、運用サポートの経験を生かし、セールスサポート部門にて業務コンサルティングやシステム企画を立案。業務改革コンサルティング、RFP作成支援及びプロジェクト管理に加え、内部統制関連サービスを立ち上げ、実務にも従事。コンサルティング部門の管理職を兼任し、コンサルティング業務全般のプロジェクト管理を行う。

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