業務の見える化の進め方<1> 「見える化は”C ”」

「見える化」という言葉がビジネスの分野で定着して、多くの企業がさまざまな分野で「見える化」に取り組んでいます。工程の見える化、物流業務の見える化、サービス企画業務の見える化、在庫の見える化・・・など私どもコンサルタントが支援させていただいた企業様でも多くの見える化を実施されてきました。

今回からは、その「見える化」に関する留意事項や取り組み方をご紹介していきたいと思います。
企業が「見える化」に取り組むきっかけは、さまざまありますが、代表的なものとして「業務改善をしたい」「システム刷新時に整理をしたい」という二つが挙げられます。双方に共通している点は、「現状には問題がある」と認識されている点です。問題を解決す
るための手法、第1ステップとして「業務の見える化」に取り組まれるという考えです。

ただし、これは厳密に言えば「見える化」ではありません。「現状業務の棚卸を実施して、「今」が分かるようにした(文書化した)」という表現が正しいでしょう。しかしながら多くの企業で、この作業を見える化と位置付けているのも事実です。もちろん、現状業務の棚卸を否定するものではありません。むしろ、現状業務の棚卸は「見える化」の第一歩と位置付けられます。

では、「業務の見える化」とは何ができている状態なのでしょうか。当たり前の話ではありますが、PDCAサイクルのC(Check)ができる状態を作り出すことです。

Cができる状態とは、

1.業務手順が明確になっていること。
2.業務手順が周知されていること
3.業務負荷(所要時間)標準が設定されていること
4.日々の中で手順の逸脱、業務負荷の異常が発見できること 

の4要素が揃っていることとなります。

現状業務の棚卸は、1の業務手順を明確にする作業の一貫として行われる内容となります。現状業務の棚卸を実施すると必ず何らかの問題点が見えてきます。その問題点を解決した結果の業務手順が、「見える化」の対象となる業務手順となります。文章で書くと簡単そうな表現になります。

が、いざ実施する段になると、なかなか難しいものです。実施するための体制づくりもありますが、それ以上に障害となる点が、「現状業務の棚卸と言っても、部門や個人によって差がある、統一できていない」ということです。かといって、全社員にヒアリングして回る訳にもいかないというのが実情でしょう。ただ、このフェーズをクリアしないと、1の業務手順を明確にすることはできませんし、3の業務負荷(所要時間)標準の設定もできません。

現状業務の棚卸をどのように進めていけばいいのでしょうか。次回よりは、各フェーズを進めていく方法を事例を交えながらご紹介していきたいと思います。

次回は、2012年4月23日(月) 業務の見える化の進め方<2> 現状業務の棚卸 です。 

この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

山内 良治

オーダーシステム開発、運用サポートの経験を生かし、セールスサポート部門にて業務コンサルティングやシステム企画を立案。業務改革コンサルティング、RFP作成支援及びプロジェクト管理に加え、内部統制関連サービスを立ち上げ、実務にも従事。コンサルティング部門の管理職を兼任し、コンサルティング業務全般のプロジェクト管理を行う。

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