基幹システム+ワークフローにて効率化と内部統制の強化を両立!

J社は年商100億の機械部品製造業です。
お客様のニーズを掴(つか)んだ製品ラインアップと、持ち前の営業力で順調に業績を伸ばしていました。

しかし、そのJ社にはある悩みがありました。
全国20箇所の営業拠点で受注活動を行っているのですが、売上高の増加に伴い、受注時に必要な申請承認書類の作成や、本部での承認作業に大変手間が掛かってくるようになりました。

J社では『値引き申請』や『特別在庫確保申請』等、営業担当者が受注時に必要な申請書類を起票した上で、本部に対して承認依頼を行っていました。
紙ベースの申請・承認はとても大変である上に、売上高の増加に伴って本部もすべての申請書類が揃(そろ)っているか、チェックが十分にできないようになってきました。
また、必要な承認が事後になる等のルール逸脱も多く発生するようになってきました。

『上場を目指す上で、これではいけない!』とのトップの強い想いのもと、J社は業務改善および新システム構築プロジェクトを発足させました。

改善のポイントは
『事後承認から事前承認へ』
『ルール逸脱を許さない仕組みの構築』
『システムチェックによる承認業務の負荷軽減』
です。

上記ポイントを達成するために、販売管理システムとワークフローシステムをカスタマイズし、J社に必要な申請承認機能を備えた上で基幹システムの受注データと連動するような仕様にしました。

このシステムの計画策定段階では喧々諤々の議論がありました。
現場担当者からは
『そこまでチェックを厳しくすると営業は回らない』
『例外を認めてもよいのでは』
『余計に業務負担が増えるのでは』
等の否定的な意見も数多く出てきました。

しかし、トップの強い意志と、トップの意向を受けたプロジェクト担当者の、現場担当者に対する粘り強い説得が、このプロジェクトを成功に導きました。
説得を行う上では、『なぜこの機能が必要なのか』『なぜこの承認が必要なのか』等の根本に立ち返って、本当に粘り強く、何回も何回も説得を行いました。

こういった一見『統制を強化する』ように見える仕組みの構築には、必ずといっていいほど現場担当者からの反対の声が出てきます。
これに対しては、いかに粘り強く、真摯(しんし)に説得できるのかがポイントになります。
そして、最後はトップダウンです。

今回も、『統制を強化する』ということは『社員が不正を起こさせない仕組みを作る』ことを意味し、結局は『社員のためにもなる、社員に優しい仕組み作りなのだ』という点を本当に真摯に説明することで、徐々に理解が深まりました。

また、システム化により現場の業務負荷が軽減される部分があることも理解を得る際のポイントでした。

この仕組みは無事カットオーバーされ、J社は受注業務における業務の効率化と内部統制の強化を見事に両立させることができました。

これが、J社が更なる売り上げ増や株式公開を目指す上での大きな資産になっています。
プロジェクト完了後にJ社のプロジェクト担当者は言いました。
『現場の反対は辛かったが、トップの強い意志の下、無事にシステムが立ち上がってよかった。
間違いなく当社にとって必要不可欠な仕組みが構築できた』と。
『トップや担当者の強い意志がシステムを成功に導く』ことを強く感じた事例でした。

次回は2012年10月15日更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

明神 隆志

平成11年入社。アプリケーションSEとして基幹業務システムの開発・運用に従事。その後コンサルティング部門で業務改革コンサルティング、内部統制コンサルティング等に携り現在に至る。
保有資格:中小企業診断士、システム監査技術者、システムアナリスト等

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