導入済みパッケージを有効活用することによる業務改善

『大規模基幹システムを新規導入して業務改善を行う』といったような大規模な業務改善も重要ですが、今導入している基幹業務システムを有効活用するだけで業務改善が図れるケースも数多くあります。今回はそんな事例をご紹介いたします。

S社は化学薬品の販売で順調に成長している中堅卸売業の会社です。基幹業務パッケージは導入しているものの、活用範囲は売上・請求・売掛・仕入・買掛管理にとどまっていました。

では受注や出荷指示はどのように実施していたのでしょう。

お客様から電話やFAXで受けた受注については、手書きで『出荷指示書』に転記したものを倉庫にFAXしており、この転記作業にとても手間が掛かっていました。

また、出荷指示書を作成する際には『倉庫の現在庫』を確認する必要があるのですが、在庫はすべて紙の『ロット別在庫台帳』に手書きで記載をしていました。

その為、在庫確認を行うためにはこの『ロット別在庫台帳』を手で繰って調べる必要があります。複数オペレータが並行して受注を受けていますので、一冊しかない紙の『ロット別在庫台帳』の取り合いになり、待ちが多く発生していました。当然、この在庫確認作業にはとても手間が掛かります。

上記業務については、パッケージの『受注入力機能』、『出荷指示書発行機能』、『ロット別在庫管理機能』を活用することで、大幅な改善が見込めます。

このような改善の取り組みを実現するにあたって一番重要なのは『経営層の意思』と『現場オペレータの理解』です。

改善を進めていく中で現場のオペレータからは、『手書きの台帳のほうが見易い』、『パッケージの検索機能が使いにくい』等の様々なご意見もありました。

それも当然! 一般的に現場オペレータの方々は今実施している業務に慣れていますので、新しい業務運用に変更することには多かれ少なかれ『心理的な抵抗』があります。その『心理的な抵抗』を解消するためには、現場の方々への粘り強いご説明が必要になります。

上記事例では、丹念に現場オペレータの方々に新しい運用方法やそのメリットをご説明することで、最終的には新しい業務運用に慣れていただくことができました。

また、着実に丹念に改善を進めていく上で、改善に対する『経営層の意思』が明確であれば、それをバックボーンに現場にご理解いただくことも可能になります。

S社様は『経営者の意思』で上記改善を実施することで、大幅な業務効率化を達成することができました。

上記は少し極端な例かも知れませんが、一般的に今導入している基幹業務パッケージを十分に有効活用している例はあまり多くありません。(残念なことに!)

パソコンでも携帯電話でも家電製品でも、数多くの機能があってもすべて使いこなせることはありませんよね。それと同様に基幹業務パッケージも自社にとって有益な機能があっても使われずに見過ごされているケースが多くあります。

もし、少しでも心当たりがあれば、今導入しているパッケージ機能を見直し、再度有効活用が可能かどうか検討してみませんか!?

次回は2012年7月23日(月)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

明神 隆志

平成11年入社。アプリケーションSEとして基幹業務システムの開発・運用に従事。その後コンサルティング部門で業務改革コンサルティング、内部統制コンサルティング等に携り現在に至る。
保有資格:中小企業診断士、システム監査技術者、システムアナリスト等

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