「先行管理」と「活動の可視化」で営業力向上!

 皆さんの会社では、予算に対する実績のみ追いかけていませんか?
今回は、「先行管理」と「活動内容の可視化」で営業力を向上させた事例をご紹介します。
 
 A社では、受注予算・売上予算を設定して毎月の予実績を管理していました。
このご時世です。予算が達成する月もあれば、達成しない月もありました。
その中で、「予算必達!」の掛け声の中、営業は、毎月数字に追われていました。
当然、精神論だけでは予算は達成しません。
しかし、達成できない原因が何なのか分からず霧の中を歩いているような状況でした。

 この状況を打破するためにA社で取り組んだことは、受注や売上といった結果数字の管理から
「先行管理」に変えることでした。ここで言う「先行管理」とは、受注に至る営業活動のプロセスを
管理することを指しています。例えば、受注を獲得するためには見積を提出しなければなりません。
当然、競合もあるので、1件の受注を獲得するためには何件か見積を提出しなければなりません。
1件の見積を提出するためには・・・というように営業活動内容を、商談のプロセスに応じて管理する
という考えです。

 まずは、「先行管理」で管理する項目を選定するために現状の営業プロセスの洗い出しを行いました。
日々、当然のように行っている営業活動ですが、この内容を体系立てて整理することは非常に難しいことです。
営業活動をKKD(勘・経験・度胸)で行っている営業マンも多く、「コトバ」に表すことが難しいためです。

 営業活動を体系立てると、受注に至ったポイント・失注に繋がったポイントに共通する点がありました。
A社では、競合先より早くお客様から情報を入手出来た場合に受注に至っていました。
営業活動の時間が確保できず、お客様をフォロー出来ていない場合には失注に繋がっていました。

 次に、成功・失注のポイントの管理手法を検討しました。
日報は、多くの企業で導入していると思いますが、単に報告書として作成しているだけの場合が
多いと思われます。その日報上で、活動内容のプロセスを紐づけ、現状の活動内容の件数・進捗・状況を
一目で確認することができるようにしました。

 活動内容が可視化されたことで、3か月後に受注するためには

「今何ができていなければならないのか」「今どのようなフォローが必要なのか」

といった状況を営業担当者だけでなく、営業上長も容易に把握でき、的確な指示を行うことができる
ようになりました。このようにして、日報を組織立てた営業活動につなげることができました。
また、受注の成功・失注のポイントに対する活動が十分に実施出来ているのか、事前に
把握できるようになり、受注成約率の向上につなげることもできました。

 また、当初予想していなかった効果として、組織立った営業活動を行うことで
チームワークがよくなり、よい意味での競争意識が高まりモチベーション向上に繋がったことが挙げられます。
今までは、個人で数字を追われ続けたために、お互いに協力するという意識はありませんでした。
組織立った営業活動と活動プロセスに焦点を当てたマネジメントへの変革で、お互いの協力意識が芽生え、
モチベーションの向上と個人の成長に繋がり、自然と結果数字(受注・売上)に繋がりました。

ぜひ、皆さんの会社でも営業プロセスを見直し、「先行管理」と「活動内容の可視化」で営業力を強化してみませんか?

この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

杉山 祐二

平成14年入社。アプリケーションSEとして6年間、業務システムの開発・運用に従事。その後、コンサルティング部門で業務改革コンサルティング、システム企画に携わり現在に至る。日々、お客様目線で何が出来るのか頭をフル回転させ奮闘中。

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