システムは営業力強化に貢献できるのか?

営業力強化。多くの経営者が興味を持つ内容ではないでしょうか。
営業力といっても、様々な視点があり、強化の仕方も千差万別です。
営業個人の能力を強化する、もしくは営業部門の組織力を強化するというのが一般的でしょうか。

しかしながら、営業力とは、企業活動そのものであり、単一部門の取り組みで強化できるものでは無いという考えもあります。
このような全社の取り組みが必要であるという視点で、幾度か、営業力強化プロジェクトに関するセミナーもさせていただきました。

そのアンケート欄で、「営業力強化のためのシステム導入を検討したい」というご意見が少なからずあります。
そこで素朴な疑問です。「システムは営業力強化に貢献できるのか」
営業にかかわるシステムとして、営業支援(SFA)や顧客管理(CRM)などが代表的です。
最近はデータ分析ツールも営業強化に直結すると考える経営者が多くなっています。

では、これらのシステムを導入して、営業力が向上した企業はどの程度あるのでしょうか。
各雑誌や書籍から得られる情報や、我々が懇意にさせていただいている企業様のご意見からは、「実際のところよく分からない」「期待していたほどではない」という評価が多いようです。 

なぜ、多大な投資をしながら、このような結果となっているのでしょうか。
単刀直入に言いますと、ACTIONにつながっていないからです。
先に挙げたシステムは、業務系システムではありませんが、あくまで情報システムであり、情報を管理するものです。

システムが勝手に考えて営業活動はしてくれません。
最新テクノロジであれば、近い状況を生み出すこともできますが、ここでは置いておきます。

ACTIONにつながっていないということは、情報を活用していないことであり、情報の意味を読み取っていないということにもつながります。
営業活動が戦いであるとすれば、システムは情報分析から最適な作戦をたてるための道具であり、戦いのための武器となります。しかしながら、せっかくの情報を過去分析にのみ用いたり、各営業の行動管理で満足している企業が多いのが実態です。

過去分析も行動管理ももちろん重要です。ただ、営業力を強化するためには、「だから、次はこうする!」という判断と行動が伴わないといけません。
そして、このような判断、行動は常時意識していることで実現されます。
月に1回、分析資料を確認しているというような活用方法では、営業力強化に活用できるとは言えないのではないでしょうか。

今後システムを検討される方、現在利用されている方、ぜひともシステムで管理されている情報から、行動につなげるための仕組み・意識の醸成に取り組んでいただければと思います。

「システムは営業力強化に貢献できるのか」
貢献できます。システムは非常に有効な道具です。
ただ道具であるからこそ、使う側の能力によって、その効果が大きく変わります。
システムを導入して管理分析するだけでなく、行動につながるシステム活用を実現することが、最も大事なことだと考えます。

次回は2012年9月18日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 コンサルタント

山内 良治

オーダーシステム開発、運用サポートの経験を生かし、セールスサポート部門にて業務コンサルティングやシステム企画を立案。業務改革コンサルティング、RFP作成支援及びプロジェクト管理に加え、内部統制関連サービスを立ち上げ、実務にも従事。コンサルティング部門の管理職を兼任し、コンサルティング業務全般のプロジェクト管理を行う。

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