第13回 今、大きく拡大している超ローコスト住宅ビジネス13

皆様こんにちは。船井総研 住宅・不動産ビジネスコンサルティングチームの原山長之です。

今回から、これまでの成功のポイントをより深化させ、全国各地で続々と生まれている成功企業の近況をお伝えいたします。

 「年収300万円だけを徹底的に狙え!すべてコミコミの1,650万円がベストプライスだ!」と話すのは、山梨県で展開されている創業2年目のデザインハウス甲府株式会社の深澤社長。

社長自身は、これまで、アンティークな内装に凝った輸入住宅を展開されていました。しかし、仕様決めや家づくりに時間がかかること、社員が受注できるようになるまでが大変なことから、「ローコストでいい家」を展開しようと心機一転され新たなビジネスを始められました。

「超ローコスト住宅って皆さん一言でくくりますけど、ここにもまた客層があるんだって知りましたね」と話すのは、山梨県で2011年一気に20棟受注を達成したデザインハウス甲府の深澤社長。

「家をステータスと感じていない人って意外と多いんですよ。」
広告代理店にも勤めた経験がある深澤社長の戦略は極めて緻密だ。

まず自分でポスティングをして気づいたことは、とにかくアパート・マンションで新聞をとっていないという事実。そこで集客手段はポスティング1本に絞った。

興味深いのは価格の提示方法。デザインハウス甲府がチラシに掲げる「1,650万円」は何度も繰り返したテストマーケティングに基づく金額だ。

「土地+建物+消費税コミコミ価格のチラシで金額だけを1,800万円 1,720万円 1,680万円・・・と少しずつ変えてみたんです。これが、面白いほど集客数と客層が違うんですよね。最終的に土地+建物セットで1,000万円手前まで試しましたが、ベストプライスがわかりました。1,650万円ですね!」

深澤社長は、ほぼ同じデザインのチラシを、土地の価格に合わせて土地+建物コミコミ価格を変えて表示した。

1,800万円で打ち出した際は、年収は400万円近くの客層も来場した。決して高所得ではないが、購買力がある印象。
1,650万円で打ち出すと、最も集客がよく、年収は300万円前半。間取りや仕様にこだわりがないという印象。
1,590万円で打ち出した際には、意外と集客ができなかった。

さらに、1,380万円の時には、資金難もしくは、年配層の建て替え客が来場した。現金客も多くなり、集客は良かったのだが、今回のターゲットとしては合わなかった。

 「もう少し上の客層のほうが単価が上がるんだけど、うちは社員数が多いわけでもないから、間取りや仕様にこだわるお客様にはきちんと対応している時間がないわけです。だったら間取りや仕様こだわらない客層に絞って地域一番を目指してやろうと思ったわけですよ。」

競合はもはや地域工務店ではなく、中古住宅だとも語ってくれた。
デフレ時代を生き抜くためのヒントがデザインハウス甲府の成功事例から見え隠れする。

次回は、超ローコスト住宅を展開し知名度抜群の住宅会社の現状をご紹介します。(6月28日(木)更新予定)

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この記事の著者

株式会社船井総合研究所

原山 長之

船井総合研究所に入社以来、注文住宅はもとより、分譲地区の販売体制構築、高専賃・戸建賃貸住宅の販売体制構築など、住宅ビルダーへの提案に特化しコンサルティング業務を習得。 現在は、工務店の仕入や業務効率化も含め、商品開発を元に、集客・営業提案を主軸に活動している。 年間300日を現場にて活動。実際にイベントにも参加し、顧客の生のニーズを把握している。

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