第4回 その他指定日の関係する経過措置

前回、前々回と指定日(8%引き上げ時⇒平成25年10月1日 10%引き上げ時⇒平成27年4月1日)の関係する「工事の請負等の税率に関する経過措置」及び「資産の貸し付けに関する経過措置」について解説したが、その他に指定日が関係するものとして次の経過措置が設けられている。

(1)指定役務の提供の税率に関する経過措置
(2)予約販売に係る書籍等の税率に関する経過措置
(3)通信販売等の税率に関する経過措置
(4)有料老人ホーム(介護サービス)の税率に関する経過措置

今回は、これらについて8%引き上げ時を例にそのポイントを解説する。なお、上記のうち(2)から(4)に掲げる経過措置については、8%引き上げ時のみについて設けられているものであり、10%引き上げ時についてまで設けられているものではない。
同様の経過措置が設けられるかどうかは、現時点では不明であるが、10%引き上げ時に際してはあらためて確認が必要となる。

【ポイント1】 指定役務の提供の範囲
上記(1)における「指定役務の提供」とは、「割賦販売法第2条第6項に規定する前払式特定取引のうちの指定役務の提供をいい、具体的には、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便宜の提供等に係る役務の提供(いつ起こるか分からない婚礼や葬儀に備え、冠婚葬祭互助会が毎月一定額を徴収することにより、施設等を利用させるサービス)をいう。

したがって、婚礼や葬儀に関する役務の提供であっても、これ以外のものについては本経過措置の適用はない。
しかし、婚礼や葬儀にかかる契約が「工事の請負等の税率に関する経過措置」に規定する請負契約に該当する可能性が考えられるので、こちらの経過措置の適用の有無を検討する必要がある。

【ポイント2】 予約販売に係る書籍等の範囲
上記(2)における「書籍等」とは「書籍その他の物品」をいうが、その他の物品については条文上、定められていない。
したがって、書籍以外でも食料品、化粧品、装花など、物品の内容に関係なく本経過措置の対象となるのであるが、本経過措置は定期継続供給契約に基づく譲渡だけが対象となるため、物品の譲渡であっても単発の譲渡では本経過措置の適用はないことになる。
単発の譲渡の場合には、上記(3)の「通信販売等の税率等に関する経過措置」の適用対象となる可能性がある。
また、定期継続供給契約に基づく物品の譲渡であったとしても、本経過措置の対象となるのは、施行日前(平成26年3月31日)までに対価を領収している部分だけである。
毎月の物品の譲渡であっても対価の領収は1年分、半年分、1回ごとなど、その徴収方法は様々であろう。例えばA氏に対する譲渡は半年分前受け、B氏に対する譲渡は商品の引き渡しの都度領収のような場合、同一商品の同月分の譲渡であっても適用税率が異なることもあるため、その請求の際には注意したい。
 
【ポイント3】 通信販売等に係る条件提示の変更
上記(3)の経過措置の適用要件の一つに「指定日前までの条件提示(商品の内容や販売価格など)に基づく商品の販売であること」がある。
したがって例えば原材料の高騰による値上げや価格据え置きのための原材料の変更、容量の変更などを指定日以後に行い、その変更後の条件に基づいた商品の販売については、本経過措置の適用はない。

なお、指定日前に条件提示した商品につき、商品パッケージやラベルの変更程度であれば、一般的には販売条件を変更したことにはならないと思われるため、商品の内容や販売価格の条件変更がなく、その他の要件を満たす場合には、本経過措置の適用対象となる。

次回は1月7日(火)更新予定です。

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