第6回 叱るとは本当のことを言うこと

本コラムに掲載していますと、多方面からさまざまな反響を頂きました。
ありがとうございます。

その中で一番多かったのは、
「私はよく叱るが、自分の部下の管理職がなかなか叱らない」
「彼らは叱られたことがないようだ」という声でした。最近の風潮として、職場は「仲良しクラブ」みたいな雰囲気を「是」とする傾向があるようです。
そういった考えが「叱ることを忘れさせてしまった」のだと私は考えています。
要するに、部下も仲間の一員ですので、叱って嫌われるのは怖いと考えてしまうのでしょう。
本当にそれでよいのでしょうか?

会社にはそれぞれの社風があり、部署もそれぞれ独自の雰囲気があるので一概には言い切れないのですが、私が理想とする職場環境は「ある程度の緊張感を維持している雰囲気」だと考えています。
仲良くするのはよいことだと思いますが、その中にも常に緊張感を維持している関係が必要だと思います。
そういった緊張感を維持するためにも、「叱る」ことが大切なのではないでしょうか?

さて、皆さんの職場はある程度の緊張感が維持できていますか? そういう雰囲気が漂っていますか?
今回も「叱り方」のポイントを紹介してまいります。

■叱るとは本当のことを言うこと
叱る場合は、必ず相手の過ちや誤った行い・姿勢・考えに対して叱ります。
そこで大切なことは、「これが本当のことだ」と言うことを相手に伝えてあげることです。

例えば、一生懸命努力して頑張ったが、結果はイマイチだったといった時、本人は「頑張ったんだから良し」と考えていたり、「結果がイマイチだったことを認識していない」場合があります。

そんな時に「君は気づいていないようだが、この結果では評価できない。
頑張ったのは事実だが、本当はこれで満足してもらっては困る」と叱るのです。
つまり、「これが本当の結果であり、他人から見た評価だ」と言うことをきちんと伝えてあげることが大切だと言うことです。
これが「本当のことを言う」ということです。

実は、これをやらない上司が多くなってきたように思います。
「わざわざ職場で声を荒げて部下を叱らなくても、一人前の大人なんだから、そんなことは分かっているだろうよ」
「頑張ったんだからよいじゃないか」と考えている上司が多いのです。
しかしながら、期待している成果が出ていないのに頑張ったんだから良しとしていたのでは、会社や組織は維持できません。
しっかり叱って、本当のことを伝えてあげてください。
部下は「自分ではできている」と考えてしまう傾向が強いと考えて日々指導することが重要なポイントになります。
皆さんが気づいた時点で、早めに指導を行うことが大切です。

もう少し補足しますと、この本当のことを言うということは「繰り返し、繰り返し、何度も何度も指導し続けること」が大切なのです。
部下を見捨てないでください。叱り続けてください。言い続けてください。子供の躾(しつけ)と同じです。そのうち少しずつ変化が出てきます。それまで根競べなのです。頑張ってみてください。

次回は2月28日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社NIコンサルティング コンサルティング本部長

世古 誠

滋賀大学経済学部卒業後、大手電気メーカー関連会社で半導体関連事業の営業担当として活動。トップセールスマンとして活躍する傍ら、営業支援システム構築のプロジェクトリーダーとして営業改革・営業関連システム導入に自ら取り組んだ経歴を持つ。
現在、NIコンサルティングのコンサルティング本部長として、常にお客様の視点を忘れることのない「コンサルティングセールス」の実践をモットーに、お客様の営業現場での改革を重点的に取り組んでいる。特に「叱り方講座」はマスコミでも取り上げられている人気の講座となっております。
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