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第37回 営業研修の選び方、評価の仕方
今回も「営業人材育成の仕組みづくりに関するチェックポイント」に関しての解説です。
今回は、11と12です。
□11.毎年やっている研修だからという理由で今年も同じ研修を実施しようとしていませんか?
【解説】
大手企業の研修担当者の場合、例年同じ研修を実施しているから、今年もとりあえずやっておこうという消極的な意思決定をするケースがあります。
もちろん、人数が多くなれば、ある一定の層に対する共通認識・共通言語化をはかろうとすると、しばらく繰り返し継続して実施する必要があります。
そういう観点では非常に意義は大きいです。
しかし、異動で研修担当になったばっかりの新任担当者の場合、とりあえず前年踏襲がベースとなってしまうことも多いようです。
費用対効果を考慮した成果を計測できていないと、どうしてもこうしたことが起こりやすくなります。
限られた予算を有効活用することを考えれば、毎年しっかりと検証する姿勢が必要です。
特にアンケートだけでなく、効果を図ることのできる成果指標の設定をすることが大事です。
□12.外部研修は受講後のアンケートだけ見て評価していませんか?一時的な高揚感でなく、成果を計測できていますか?
【解説】
ある一定レベル以上の研修講師やセミナー講師になれば、受講生の満足度評価を向上させることはたやすいことです。
私自身も自らの自己研鑚のために数多くのセミナーや研修を受講しておりますが、中にはヒドイものもあります。
お涙頂戴で、自分自身の苦労話をして感動を誘う人もいれば、突然無関係の感動映像を見せるようなものもあります。
おそらくアンケートの反応は悪くないと思います。
「やる気が出た」とか「頑張ります」というコメントは最低ラインをクリアできましたというレベルです。
具体的に褒めるところがないとよく出てくるコメントです。しかし、効果や成果という観点では間違いなくナシと思います。
研修やセミナーは誰もが何らかの成果を求めて取り組んでいるわけですが、実際に成果が出ていますという企業や個人は圧倒的に少ないのも事実なのです。
そもそも、得たい成果があるのなら、その得たい成果を明確に定め、それをしっかりと計測するための仕組みの構築が必要です。
そうでないと、求めている成果が得られたかどうかも分かりません。
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次回は6月9日(月)更新予定です。
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