ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第35回 営業マニュアル、どれぐらい見直していますか?
今回も「営業人材育成の仕組みづくりに関するチェックポイント」に関しての解説です。
今回は、7と8です。
□7.ぶ厚いものでなく、シンプルな営業マニュアルはありますか?それを随時、改善・修正できていますか?
【解説】
営業マニュアルや業務マニュアルはひとつの「型」です。これを生きたものにするのか、ホコリが被った過去の遺物としてしまうのかは、営業マネージャー次第です。営業マニュアルは、営業自体が時代に合わせて変化してゆかなければいけないものですから、随時修正を施してゆかなければなりません。セールスツールやセールスレターだってタイミングを捉え、適宜修正や変更を余儀なくされます。
拙著『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』(東洋経済新報社)には、「ソリューション営業5ステップ70スキル」というA3サイズのたったワンシートの営業マニュアルのひな型を付けております。こちらをご覧になられた方は、私がお伝えしている営業マニュアルというものが、過去のそれとは異なることをすぐにご理解してくださることと存じます。
ちなみに、私たちがコンサルティングのお手伝いを個別にさせて頂いている企業様では、自社のオリジナルのワンシートを作成しており、「5ステップ16スキル」に圧縮している証券会社もあれば、「5ステップ103スキル」にした理化学機器のメーカーもあります。自らの手で、自分たちの営業にフィットしたものを作成することが生きた「型」を構築するのに重要なのです。
□8.上司・先輩が部下・後輩を教育指導するロールプレイングなどの「Off-JT」の時間を定例でしっかりと作れていますか?
【解説】
ロールプレイングというトレーニング手法は、非常に重要です。スポーツを真剣に取り組んだことのある方ならご理解頂けると思うのですが、スキルを身に付けて上手くなりたいと思ったら、まず「練習」をすることが重要です。プロスポーツ選手だって、練習時間の方が本番(試合や大会)の時間よりも圧倒的に長いのです。
ところが、面白いことですが、練習しないと上手くならないということを知っている人は多いのにも関わらず、営業のスキルを身に付けるためにちゃんと時間を取って何らかのトレーニングをしている会社は皆無なのです。ロールプレイングを始めて、わずか3カ月間で販売力が12倍になった会社もあるくらいです。ちゃんと取り組めば非常に効果的です。
一点、アドバイスをすれば、営業組織のトップが自らロープレに参加し、必要に応じてお客様役をやるなどの積極的に取り組んでいる組織では、ロープレをやればやるほど成果が出ます。ところが、上長が部下任せでロープレの場に同席してフィードバックをしない場合、期待できる成果は乏しいものになります。
☆セミナーも開催しております。「直接話を聞きたい」という方、お待ちしております。
次回は5月12日(月)更新予定です。
次の記事を読む