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第34回 上司・先輩のアドバイスは本当に成果に繋がりますか?
今回も「営業人材育成の仕組みづくりに関するチェックポイント」に関しての解説です。
□5.「OJT」の一貫として、部下の「事前準備」を手伝えていますか?面談目的の確認や事例の提供など適切なアドバイスは出来ていますか?
【解説】
「OJT」と言えば、「=同行・同伴営業」という発想は大きな間違いです。結論から言えば、OJTには「事前準備」も含まれます。
「事前準備」で言えば、面談予定のお客様に合わせてどういう約束事を取り付けてくれば成功なのか、どんな抵抗を頂戴してしまう危険性があるのか、など面談日の最低でも前日までには想定し準備を終えておく必要があります。
そういう意味で言えば、上司・先輩が経験という“データベース”から、部下・後輩が面談予定の顧客に類似の事例を引き出して精度の高い仮説を立てられるかどうかは非常に重要です。
トップセールスマンらに言わせれば、面談の成否は80%以上「事前準備」で決まると仰るくらいです。
あるいは、具体的な顧客を想定した形式での事前準備としての「ロールプレイング」も「事前準備」にもちろん含まれます。
そういう意味で、「OJT」という言葉を狭義で考えることなく、広義で捉え、より多くの「OJT」を取り組んで頂きたいのです。
□6.場当たり的な指導でなく、体系的な指導が出来ていますか?何らかの体系的な営業の「型」を示すことは出来ていますか?
【解説】
同行営業・同伴営業などで、部下に営業をやらせてみて、フィードバックをしてゆく指導をするケースはどこの会社でも良くあるのですが、同行する先輩や上司によって指導する内容や指摘事項が一見相反してしまい、部下自身が混乱してしまうことがよく起こります。
例えば、「ちゃんと相手の目を見て話しなさい」という指導と、「お客様の言葉は一語一句しっかりとノートに書き留めなさい」という指導は、どちらも正しいとは思うのですが、付け焼き刃の指導に若手営業マンは特に大きく影響されますので、こうした2つの一見相反するような指導やアドバイスは上手く実行に移せないものになります。
やはり、何か常に帰着できる拠り所のような「型」を体系的に示す必要があります。
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次回は5月7日(水)更新予定です。
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