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第19回 既存顧客をランク分けしましょう!
前回は、「プロセスマネジメント」を実行してもらう上で必要となる「ソリューション営業」について二つのポイントをお話しさせていただきました。
今回は3つ目のポイントをお話しさせていただきます。
[3]既存顧客をランク分けし、ランク毎にやるべきことと、その行動のペースを決定する。
取引実績と拡大余地という二つの軸を持って、既存顧客をABCDの四つにランク分けします。
Aは取引実績もあれば拡大余地もある先
Bは取引実績はないが拡大余地のある先
Cは取引実績はあるが拡大余地のない先
Dはどちらもない先
基本的に、このようなランク分けをしないと、営業マンは会社として本当に訪問してほしいお客様先ではなく、行きやすい先に訪問することになります。
このABCDの顧客ランク毎に営業戦略をどう構築するかが、さらに重要になります。
例えば、Aランクのお客様は、当方担当者と先方担当者とだけで接点を維持しようとするのではなく、上司を巻き込んで、“点”ではなく、組織上の“面”として捉えた営業の段取りを策定する必要があります。
特に、お客様が人事異動のタイミングは要注意です。新しい担当者が取引先を全面的に見直す危険性もあるからです。
そのためにも“面”で繋がっておく必要があります。
次に、Bランクのお客様は、競合他社におけるAランクの顧客ですから、彼らもエース級の営業マンを当てている可能性があります。
それゆえ、ひっくり返すにはこちらもエース級の営業マンで対抗しなければなかなか進まないことが多いです。
もちろん、ドアオープンまでは新人に担わせてもよいかと思いますが。
次に、Cランクのお客様はロイヤリティが高いわりに、取引の拡大余地に乏しいですから、そういう意味ではあまり工数を割けない事情もあると思います。
しかし、お客様側からすれば、精一杯お付き合いしていることもあり、何らかわがままなことを申し出る可能性もあります。
そういう意味で、誠意を持って工数を減少させたり、一部のサービスを有料化するのだの対象策が必要です。
最後に、Dランクのお客様ですが、選択と集中の考えに沿って判断すれば、担当営業を付けることもないかもしれません。
新人やコールセンターでの一括対応としている企業も多くいらしゃいます。
いずれにしても「パレートの法則」(2割8割の法則)から考えれば、Aランクのお客様は全顧客の最大でも20%以内になるようにランク分けをしてみてください。
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次回は1月20日(月)更新予定です。
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