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第10回 目標から逆算してKPIを設定する方法
前回の問題です。
・営業マン数8名、月間目標受注額=5,000万円、平均受注単価=200万円のある会社
・営業プロセスをシンプルに分解すると、(1)初回面談→(2)ヒアリング→(3)提案・見積もり→(4)受注、という四つ
・初回面談からヒアリングに至る歩留まり率「案件化率」=20%
・ヒアリングから提案・見積もりに至る歩留まり率「見積率」=80%
・提案・見積もりから受注に至る歩留まり率「成約率」=30%
この会社の「KPI」を「1日当たりの訪問件数」「1週間当たりの見積件数」で設定する場合、それぞれ、どうなりますか?
※小数点以下は切り上げにて整数で。
※また、前提として、商談期間は1カ月以内、1カ月間の営業稼働日数は20日間、各プロセスにおける必要訪問回数は1回とします。
では、解答解説です。
考え方の基本は「目標からの逆算思考」です。具体的に言えば、目標となる受注金額を何らかの件数や社数に置き換えます。その上で、各歩留まり率から逆算して、必要行動量を算出するのです。
○例えば、この場合は以下の図のようになります。
(4)受注 =5,000万円÷200万円=25件(社)
↑
「成約率」=30%
↑
(3)提案・見積もり =25件÷30%=83.33≒84件
↑
「見積率」=80%
↑
(2)ヒアリング =84件÷80%=105件
↑
「案件化率」=20%
↑
(1)初回面談 =105件÷20%=525件
○それゆえ、計算式および解答は次のようになります。
■「1週間当たりの見積件数」
84件÷4週÷8名=2.625件≒2.6件(≒3件)
■「1日当たりの訪問件数」
84件×1回+105件×1回+525件×1回=714回の訪問
714÷20日間÷8名=4.4625件≒4.5件(≒5件)
どうですか?目標から逆算してKPIを設定する方法についてご理解頂けましたでしょうか?次回は、プロセスマネジメントの「KPI」の設定方法について、さらに実践的に詳しくお話します。
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次回は11月11日(月)更新予定です。
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