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第33回 OJTという教育システムは機能するのか?
今回も前回に続き、「営業人材育成の仕組みづくりに関するチェックポイント」に関して解説をしていきます。
□3.自分には出来たことを出来ない社員や、自分が自主的にやってきたことをやらない社員に腹を立てていませんか?売れない営業マンの気持ちが本当に分かっていますか?
【解説】
2-6-2の法則における上位2割の「自己成長モデル」と呼ばれる方が、営業で実績を残し、営業マネジャーに出世します。ところが、無意識・有能の営業マネジャーが多く、自分は無意識に営業活動をしているので、上手く部下に説明できないのです。
そういう方に限って、マニュアルは不要だといい、気合と根性、精神論を説きます。そして、自分に出来ることは、部下にも出来ると考えるのです。それゆえ、自分に出来たことが出来ない部下に不満を持ちます。
サボっている、怠慢等としか部下を理解できないのです。自分の説明能力不足、自己認知能力不足だとは夢にも思わないのです。売れない営業マンの気持ちなど分からないので、売れない営業マンがどこで躓いているのかが分からず、説明も出来ず、育成することが出来ないのです。
□4.「OJT」という言葉で、営業マン育成をしているつもりになっていませんか?
【解説】
「OJT」で営業マンを育成していますと回答する会社は、かなりの割合あります。ところが、具体的に「OJT」とは何ですか?と尋ねると、同行営業・同伴営業を通じて、模範を示したり、やらせてみて後々フィードバックをするようなことをしているというのです。
そこで、同行営業・同伴営業をどれくらい実施できていますか?とお聞きすると、一人の営業マンに対して、月に1~2回程度しか出来ていないという会社も少なくないのです。
月に1~2回程度の教育機会を通じて、どれくらいの期間で一人前の営業マンが育てられるというのでしょうか?これでは、「OJT」で指導・教育ができているとは呼べないことは明らかです。
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次回は4月28日(月)更新予定です。