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第32回 「背中を見て学べ」の育成方法はもう通用しない
今回からは、前回の「営業人材育成の仕組みづくりに関するチェックポイント」に関して解説をしていきます。
□1.「先輩から盗め」「背中を見て学べ」という自分の時代の営業マン教育をいまだに押し付けてはいませんか?
【解説】
ついつい自分が育ってきた環境に基づいて、考えてしまうものです。
しかし、時代は急激に変化しており、3~5年経ってようやく一人前などとなかなか悠長には言っていられない時代になっております。
今やインターネットや電子メールが当り前の世の中になっており、時代のスピードは急速に増しています。
一昔前なら、電話の折り返しのスピードも出張に出ていたりすれば、数日後でも許されていたものが、最近では、携帯電話を名刺に記入するのも当たり前になり、すぐに折り返しが無いと不快感を訴えるお客様のいらっしゃる世の中なのです。
飛び込み営業している場合ならなおさらです。
一昔前なら、黙って受付を突破することも可能でしたが、今やセキュリティの強化で建物にすら入れません。
全く別の営業手法でないと通用しない世の中に時代は変わっているのです。
あなたは、それでも、昔自分が育った教育手法を今の若手にも押し付けるのですか?
□2.(いつの時代も言われていることですが)「今の若い者は・・・」「ゆとり世代は、マニュアル世代だから・・・」と嘆いていませんか?時代に合わせて教育システムを変更できていますか?
【解説】
おそらく、あなたが新人だった頃にはあなた自身もその当時のベテラン勢に「今の若い奴は・・・」などと言われていたに違いありません。
いつの時代も繰り返されていることです。今の新人を彼らは「ゆとり世代だから・・・」と特別扱いする傾向が現在ありますが、常に一長一短です。
確かにゲームソフトなどの影響とも言われていますが、「言われたことしか出来ない(やらない)」などの声を聞きますが、言われたことは出来る(やる)のであれば、明確にマニュアルで仕事を教えてあげれば、出来るということでもあります。
また、彼らは生まれた時からインターネットが当たり前に存在する"デジタル・ネイティブ"です。それゆえ、例えばセールスに必要な「事前準備」において、黙っていてもホームページで調べてから訪問することができる方も多いです。
情報武装がいかに自分を守ってくれるのかを知っているのも彼らの強みです。嘆くよりも先に、そうした教育システムを対象に合わせて変更することが非常に重要です。
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次回は4月21日(月)更新予定です。
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