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第25回 お客様の予算、決裁者をどのように確認しますか?
前回は、部下から質問された際にどのような回答をしますか?ということで、三つの質問、そして、一つの回答をさせていただきました。続きです。
★質問2.「お客様に予算をお聞きしても、なかなか教えて頂けないことも多く、教えて頂けてもできれば安く買いたいのでやや低めに予算を言われがちですが、どのような質問をすればよいですか?」
【質問2.の解答と解答解説】
「もうこれ以上かかるんだったら、検討外だと思ってしまう価格というと、例えばどれくらいの価格ですか?」等
心理的にもダメな金額というのは、比較的言いやすいものです。
この質問トークに切り替えるだけで、回答頂ける確率が上がります。
あとは、このような質問に対して回答された金額から、コンペなどの一発見積りの場合には落とし所のレンジを予測する必要があります。
一般的に、8掛けが上限、6掛けが下限になります。
ちなみに、「予算はおいくらですか?」という質問が、ダメというわけではありません。
しかし、買い手は安く買いたいものです。予算枠の半分で何とかならないかと聞いてくるケースもあると思います。その度に、真に受けて上司に「お客様が半額じゃないと買わないようなのですが、どうしましょうか?」と部下が聞いてくると、安売りしかできません。困るのは、上司であるあなた自身なのです。
★質問3.「商談において決裁者やキーマンを聞き出したり、確認するために、お客様にどのような質問をすればよいですか?」
【質問3.の解答と解答解説】
「他に(この人の)ご意見を尊重しておきたい方はいらしゃいませんか?」等
この質問をした際に、「いや、特におりません」と回答されれば、その目の前にいる方が決裁者・キーマンです。逆に、「そうですね。○○には確認する必要があります。」などと回答されれば、その○○に該当する出てくる名前がいわゆるキーマンや決裁者である可能性が高いです。
もちろん、その出てきた名前の方に次に面談できた際に、同様の質問をすると、また別の名前が出てくる可能性もあります。
法人営業の場合は必ずといってよいほど、決裁者やキーマンを特定することは非常に重要です。
しかし、上司が「キーマンを聞いてこい!」とだけ指導するので、新人営業マンが「御社のキーマンは誰ですか?」と客先の社長様に聞いてしまって、追い返されたという笑えない話もあるくらいです。(笑)
ベテラン営業マンの多くは、相手の検討プロセスを聞いたり、組織図と上下関係をある程度把握することで、自分自身の経験から決裁者やキーマンの見当を付けるケースも多いです。
でも、このやり方は外れることも多く、それゆえちゃんと確認すべきです。
例えば、オーナー系企業の二代目社長だから社長自身が決裁者だろうと思い込んでしまうケースでも、上記の質問をすると、実際には「会長(創業者、父)」「営業部長(創業者の右腕、社長より年上)」「経理部長(母、金庫番)」が決裁者・キーマンであることが判明することも多いのです。思い込みは禁物ですね。(笑)
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次回は3月3日(月)更新予定です。