第2回 物流改革の効果

前回の執筆で、「物流改革を実施すれば売上金額の1%に該当する物流コストが削減される」という話をした。

主な物流コストをいくつか挙げると、「【1】物流人件費」「【2】輸送費」「【3】保管費(倉庫料)」「【4】物流資材費」「【5】物流に関連したコンピュータシステム費」等がある。皆様の会社の取扱商品により大きく変わるが、対売上高物流コスト比率(月間物流コスト÷月間売上高)は、一般的におおよそ5~7%と言われている。

物流改善が大幅に進んでいる企業は別として、企業で物流改善に取り組んだ場合、物流コストの20%程度の改善が見込める。よって図を例にすると、「売上高100億×物流コスト5%×改善率20%=1億円(売上高1%に該当)」がその根拠となる。

ただ、物流コストの改善率は一律に同じではない。委託倉庫で保管費が仮に物量により変動する契約であれば「在庫金額が半減すれば保管費は30%以上削減」できる。倉庫が自社物件であれば、空いたスペースを有効に使うことで保管費は削減できる。

物流人件費は、作業効率を上げれば20~30%の改善ができる。また、物流メンバーの社員比率が高ければ、パート比率を上げるとさらに物流人件費は削減できる。パート比率を上げて物流人件費が、半分になったという事例もそう珍しくは無い。輸送費は一番改善率が低く、2~5%程度だと思われる。それぞれの詳細の説明は、執筆が進むにつれて述べたいと思う。

物流改革を推進すれば必ず効果は出るが、それを推進する上で動機付けが必要である。なぜならば、物流部門だけでなく他部門を巻き込んで、全社での物流改革を推進する必要があるからである。

通常の発想であれば、「物流改革は物流部門の仕事でしょ。どうして営業部門が手伝わないといけないのか!」ということになる(前回の執筆で解説)。また、物流改革メンバーが、「制約条件のない検討」をしなければ大きな改善は見込めないができない。

例えば、「在庫アイテムの縮小」「当日出荷受注締め時間のルール遵守」「不採算自社配達便の廃止」「在庫金額の削減」等、今までにできなかった「他部門と連携した改善」「お客様に交渉が必要な改善」は、検討さえタブーとされていたのではないだろうか。行動を変えなければ何も変わらない。そのために、現在の物流の問題を明確にし、改善により、どの程度の物流コストロスが発生しているかを見える化する必要がある。

物流改革は、「問題点の整理」→「優先順位付け」→「改善テーマの決定」→「改善策の立案」→「役割分担して実行」→「効果検証」、という手順で行うべきであると思う。次回から具体的な各論に入っていく。

次回は5月11日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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