第9回 物流管理指標

物流には定量化(数値化)しやすいものが多くある。
「在庫金額」「運賃」「物流人件費」「物流クレーム件数」「在庫欠品率」「作業効率」等が挙げられる。

既に、取り組みをされている企業もあると思うが、その数値に対する改善基準(目標)をお持ちだろうか。定量化をしても基準(目標)を決めていなければ改善活動がバラバラになってしまう可能性がある。

例えば、物流クレームが月間3件発生していたとしよう。仮に改善目標がなければ、センター長は「月間0件」を目標と考え、部下の課長は「人間がすることだから3件ぐらいは仕方がない」と考えていれば、現状に満足している課長は、それほど改善努力をしないことになる。

「口先だけでは0件に近付ける様に頑張ります」と言っていても行動には現れないものだ。課長がその様な気持ちであれば、物流メンバーも「こんな感じでいいんだ」と思ってしまう。営業部門では営業予算を達成するために、毎日の様に営業部長が叱咤激励をしている企業も多くあると思う。物流部門でも同様に物流目標を作り、全社的に現状と目標を開示し、日々改善を進めていかなければならない。

物流の可視化の方法は第4回で述べたが、月別の推移状況、他社との比較により目標を設定する必要がある。

例えば、物流クレームの一つ・誤出荷で検討してみよう。バーコード管理システムを導入していない企業では、「1/1万=誤出荷率0.01%」は達成できると私は思っている。ただし、その計算方法もきっちり定義する必要がある。「誤出荷率(%)=誤出荷行数/出荷行数×100」である。「誤出荷個数÷出荷個数×100」で計算している企業も時々あると聞く。

企業のローカルルールであれば、何を基準にしても差し支えないが後者の場合、ケース出荷の比率が大きい企業の場合は、ケース出荷さえ間違えなければバラ出荷の間違いが多少発生していても誤出荷率が低くなる。その結果、問題が水面下に隠れてしまうので注意をしてほしい。

この様に物流プロジェクトのメンバーで、改善の方向が間違っていないかを「正しく評価できる基準」を決めてスタートしてほしい。何カ月か経過すれば、その目標が正しかったかどうかを検証できる。

簡単すぎる目標を作っても力はつかないため、適度な難易度の目標設定が必要だ。定量化できるものをすべて目標設定してしまうと、どっちつかずになるため、半期ごとに重点テーマの目標設定をして、物流メンバー全員に徹底させることをお薦めしたい。

次回は6月29日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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