第7回 物流改革の手順

改善活動を実施するには正しい手順が必要だ。まず、問題点が明確になれば、その発生原因をつきとめなければならない。一つの問題点に対して、発生原因は複数ある場合が多い。

例えば、「実在庫とシステム在庫が違う」という問題点に対して、「誤出荷が発生している」「入荷数が違う」「営業持ち出しが入力されていない」「棚卸ミス」等など、発生原因がいっぱい出てくる。これらをすべて出してから改善案を作成しなければ、在庫差異は絶対になくならない。

しかし、現実は物流現場で「思いついた改善策を実行する」だけになり、いくら頑張っても在庫差異はなくならない。そのうち、「在庫差異が違うのが当たり前で、在庫を合わせようという努力をせずにあきらめてしまう」ということになる。もうこれ以上ないというくらい発生原因をつきとめることがポイントである。

次にその発生原因を改善するための策を立案する。改善策も一つの問題点に対して複数ある場合が多い。誤出荷を防止する対策として、「ロケーションピッキング」「検品の強化」「ハンディシステムの導入」など等、こちらも複数ある場合がある。この時、それぞれの対策について効果予測をする必要がある。お金がかからない改善であればすぐ実行し問題があれば元に戻せばよいが、お金がかかる改善(物品購入、物流メンバー増員等)は「失敗しました。」ではすまない。よって、改善策を実行した場合に、どの程度の効果があるのか、その根拠は何かを仮説検証をする必要がある。

また改善策を羅列した後に、「全部実行するのか」、もしくは「優先順位をつけて順番に実行するのか」を、「効果の大きさ」「スピード」「実行可能性」などで判断する必要がある。

実施する改善策が決定すれば、具体的な実行計画を立案する。その時の注意点は、「誰が」「いつ」「何を」「どの様に」「どのくらいの時間をかけて」実行するかを細部まで計画立案することだ。実行担当を部署でなく、個人名にすることも重要だ。部署名だと誰かがやってくれるという思いから、期限になっても終了していないということになりかねない。個人名であれば、おのずから真剣に考えざるをえない。

また、その準備時間がどのくらいかかるのかも算出しておくことも必要である。作業時間見積が甘く、直前に始めて結局中途半端なところで終わってしまうことも少なくない。難易度が高い改善テーマほど、多くのメンバーが参画する。ひとりだけが課題を遅れさせるだけでも全体のスケジュールが大きく狂うのである。

最後に効果検証をする必要がある。実施した結果、どうだったのか。効果がでなかった場合、改善策を正しく実行しているのかを検証しなければならない。実行していなければ効果がでるはずがない。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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