第40回 物流業務の問題点把握

物流作業改革は、物流の問題点を数多く出すところから開始する。
物流センターの主要メンバーと物流プロジェクトメンバー(全部門代表)を集めて、「改善できるかどうかは考えずに、物流の問題点を一杯出してください」と言うと、20~30程度の問題点が簡単に出てくる。毎日発生している問題点、日頃から感じている問題点はすぐ頭にうかぶ。しかし、しばらくすると出なくなる。この様な時は、範囲を絞り込んで質問するとまた問題点が出てくる。
今回は、この手順とその効果を述べたい。

まず、問題点を上図の業務(貴社独自の業務があれば追加してほしい)にあてはめて記入する。
記入していくと、未記入の業務が出てくる。その業務は、「問題点が全くない」のか、「問題点が気づかない」のかどちらかである。

例えば、棚卸の欄が空白だった場合、「棚卸業務で何か問題はありませんか?」と質問すると、また続々と出てくる。
業務毎に一通り潰し終わった後で、今度は得意先の視点で聞いてみる。「特定の得意先(具体的な主要得意先名でもよい)で何か問題はありませんか?」と質問をすると、「そういえば○○社でこういう問題があった!」と問題点が再発見される。
次は、仕入先の視点、時期(季節、繁忙期、特売)の視点で聞いてみる。(執筆第5回を参照)。

第5回 物流の問題点の可視化

その問題点を業務にあてはめて、整理をしていくのである。

この手順は、問題点を多く出すことが目的の一つであるが、他の部署と問題点を共有化できる効果もある。
過去の改善活動は、小集団活動が多かった。
その結果、自分の業務以外の仕事は、関心がない人が増加してしまった。また、他部門への干渉をしたくないという暗黙のルールがあったのかもしれない。そういう状況は、他部門を悪く思い、ますます部門間の溝ができてしまうのである。
営業、発注、物流、情報システム、総務の仲が悪い企業が多いのも、その影響であると言える。
他部門の状況を知ることにより、歩み寄りができれば、改善も進みやすくなると思う。

また、他部門であれば、新たな発想が出てくることもある。物流も過去の改善により、今の形に移行した流れがある。
今のやり方が正しいという自負と、業務が当たり前になり、問題があるという発想も浮かばない。
業務別問題点把握には、隠れた問題点を浮き彫りにする効果があると言える。

次回は2月22日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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