ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第47回 物流人員配置計画の立案
物流センターの物流人件費を適正に保つためには、物流作業の進捗をうまくコントロールしなければならない。
しかし、毎日の物流作業量は日々変動するため、適切な人員配置の検討は難易度が高いと言える。
物流人件費の適正化を実現するためには、【1】物流作業の効率化を図りながら、【2】物流人員の社員比率を極力抑え、【3】ボトルネックになっている物流作業に人を補強させ、【4】予想よりも物量が少ない場合に不急作業をタイムリーに指示する、ことが必要になる。
この状況に近付ける第一歩は、適正な人員配置計画をたてることである。今回は物流人件費を削減するための人員配置計画を解説したい。
図の上側は現状の物流人員体制、下側は目標物流人員体制を記入する表である。
なお、現状の物流業務ごとの作業人数は週間作業調査(No42で解説済み)で小数点1桁(例えば入荷で3.2人)まで算出し、1人当たりの平均年収は物流会計(No4で解説済み)で算出する。
目標物流人員体制は、物流作業ごとに社員の配置を決めていくところから始める。
ピッキング1名、入荷と移動は0.5名ずつ、流通加工は1名、物流事務は1名、全体の物流管理は1名・・・という手順でざっと配置をしていく。
次に物流作業ごとの人数を、月間平均物量を基準に決めていく。
人数の算出は、目標とする物流作業効率で設定することが多い。
例えば、「ピッキング効率が1人当たり100ピック/時」を目標とした場合、1日5000ピック平均の物量を5時間で完了したいのであれば、「5000ピック÷100ピック/時÷5時間=10名」となる。
このやり方で、すべての物流作業に、社員数とその他の物流メンバー(嘱託、パート、派遣等)の人数を設定する。
これに人件費の変動値(この目標を実現した場合は、社員の給料加算を行い、作業効率がよい物流メンバーの時給をアップする等)を考慮して試算すれば、物量が現状と同じ前提で、物流人件費がどの程度下がるかが明確になる。
最後に、立案した物流作業ごとの人数・作業効率で、現作業がこなせるかを検証すれば、この計画が実現可能か、判断することができるのである。
ある程度物流現場と刷り合わせができれば、月別および日別の波動を調整をすることになる。
今回で物流作業改革は終了とする。
次回から輸送改革に入るので、継続して見ていただきたい。
次回は4月12日(金)更新予定です。
前の記事を読む
次の記事を読む