第42回 物流作業の状況把握

物流4大改革(在庫改革、物流作業改革、輸送改革、物流クレーム改革)の中で、現状を一番把握できていないのは物流作業改革であろう。
毎日の作業効率が業務別に把握できていれば、効率のよい日と悪い日が明確になり改善の動機づけにもなる。
しかし、作業効率を把握するためには、全員の業務別作業時間を把握する必要がある。
これができている企業は、数少ないのではないだろうか。
今回は時間をかけずに状況把握をする手順をご紹介したい。

まず行わなければならないことは、個人別時間帯別に業務内容を調査することである。
曜日により物量変動があることが多いため、連続した1週間のデータ調査をお薦めする。
業務別時間帯別のシート(作業日報)を作成し、物流作業者に毎日自己申告でつけてもらう。
時間は15分単位で記入する。
本来であれば、1分単位でつけるのが望ましいかもしれないが、正確なデータを収集するがために物流現場に負荷がかかり、なおかつ集計するにも時間がかかる。
今回紹介する方法は、「正確なデータを取るのが目的では無く、問題点を掴むことが目的」と考えてほしい。
データとして、ある程度の誤差が発生しても構わないという感覚で取り組んでほしい。
正確なデータは、テーマを選定した上で再調査をすればよい。この方法であれば、物流作業者は「→」で線引きするだけなので1日あたり数分程度の負荷ですむ。

作業時間のデータ取りができれば、次に仕事量を把握する。
入荷・出荷・移動・返品・流通加工等、それぞれの業務で仕事量の尺度に適当だと思われるデータを収集する。
例えば、ピッキングであればピッキング件数、流通加工であればピース数である。
以上のデータが把握できれば、業務別日別の作業時間と仕事量が把握できるため、上図の週間作業集計表ができる。
「仕事量÷作業時間」の計算式を設定すれば作業効率がわかる。これを1週間の中で比較すると、必ず効率がよい日と悪い日が出てくる。
効率が悪くなった原因を検討し、「人が多すぎたから効率が悪くなったのか」「トラブルが発生したから効率が悪かったのか」等、具体的に対応策を検討できる。その原因をなくせば結果として作業効率が向上することになる。

また、日報から職能別(例:マネージャー、リーダー、社員、嘱託社員、パート、派遣社員)に作業時間を集計することもできる。
以前述べたことであるが、マネージャーやリーダーは出来るだけ単純作業をしてはならない。
物流の最適化を推進する時間をできるだけ多く取らなければ、いつまでも物流はよくならないからである。
よって、リーダーが単純作業を行っていた場合は、なぜそれが必要なのかを議論すればよい。
例えば、「入荷する時に棚入れの場所がわからないから、リーダーが手伝っている」のであれば、誰でもできる方法を考えれば問題は解決できるのである。

次回は3月8日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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