第38回 物流作業改革の目的

今回から第4章に突入し、「物流作業改革の進め方」に入る。ご期待ください。
物流作業改革の目的は、「物流人件費の削減」である。
一般的に「物流作業効率の向上」を目標として取り組んでいる企業も多いと思うが、その考え方は少し違う様な気がする。
私が考える手順は、「第1段階:不要な作業の撲滅」「第2段階:役割分担の適正化」「第3段階:作業効率の向上」である。
詳細は次回以降に解説するが、ここでは概略をおさえておきたい。

まず第1段階は、「不要な作業の撲滅」である。
物流現場で働かれている皆様は、「私は不要な仕事はしていない!」と憤慨されるかもしれない。
しかし物流現場では、不要な作業が数多く存在しているのである。

例えば、入荷検品は、入荷が正しくないから発生する。
出荷二重検品も、出荷検品で間違いがなければ1回で済む。品薄商品のホワイトボード記入も、品薄商品が少なくなれば負荷が低い。
この様になぜこの仕事が必要なのか、他のやり方がないのかを繰り返して考えてほしい。
この発想をすれば全体の仕事時間が短縮されるはずである。

次は第2段階の「役割分担の適正化」である。物流センター内では管理職社員・一般社員・嘱託社員・派遣社員・パート社員がいる。
企業としては物流コストを極力抑えたいため、社員の比率が低い会社が多い。
社員には、給与の他に福利厚生費、法定福利費、教育費等の企業が支払う費用が加算される。仮に年収300万円(福利厚生費等加算)の社員、年収150万円のパート社員がいて、勤務時間もほぼ同じだとする。
この場合、社員の付加価値がなければ、社員1名よりパート2名を採用する方が企業としては価値が高い。
そうすると、社員の存在価値は、パートよりも作業効率が2倍以上であるか、または物流改革の様な全体の最適化を推進していく役割を担わなければならないのである。

最後に「第3段階:作業効率の向上」である。
作業効率を考える時に、「作業効率」と「稼働率」の両面をおさえておかなければならない。
ここでいう稼働率とは、「(全体の作業時間―休憩時間を除く仕事をしていない作業時間)÷全体の作業時間」である。指示待ちが多いほど稼働率は悪くなるのである。

また物流作業では、五つの無駄(待つ無駄、考える無駄、移動する無駄、探す無駄、取る無駄)が発生している。
この無駄取りを行うだけでも20%程度の作業効率は上がるのである。

次回は2月8日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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