第43回 不要な作業の廃止

物流現場には、やらなくてもよい作業が数多くある。
やらなくてもよいにもかかわらず、過去からずっと続けているので、疑問も持たずにやっていることはないだろうか。

例えば、毎月全品棚卸をしていた企業があったとしよう。
物流改革の視点では、「なぜ毎月棚卸が必要なのか」と考える。
そもそも棚卸とは、「実在庫とコンピュータ在庫があっているか確認することが目的」であると言える。
正確な数字が把握できなければ、「欠品になりお客様に迷惑をかける」「在庫がないと思い、発注して過剰在庫になる」等のデメリットが発生するからである。
では、在庫数があっていれば毎月の棚卸が不要になるのではないだろうか?棚卸をするにも人件費が発生するため、情物が一致していればやる必要がないのである。
棚卸が盗難防止の意識付けという企業もあるため、色々な側面で考えてほしい。

他にも不要な物流作業はある。
「品薄商品の在庫状況がわからないので、受注時に物流現場に確認に行く」。
これは不要な作業ではないだろうか。
「物流現場に確認に行く」ことは、お客様に在庫の有無を伝達する一つの手段である。
先ほど述べた「在庫精度の向上(コンピュータ在庫と実在庫の差異を極小化)」をし、受注時にコンピュータで在庫の有無を判断できれば現場に確認に行かなくてもよいのである。その対策として品薄商品の在庫保有日数の増加や、出荷極小品薄商品の廃盤推進をすれば、現場在庫確認を不要にすることができる。

もうひとつ事例を紹介する。
複数個口の出荷ダンボールに「商品名を記入」「梱包明細を貼る」企業があったとしよう。
この作業の目的は、何なのであろうか。10年以上前には、確かにお客様に喜んでもらえる作業であった。
この梱包明細があればお客様側の物流では、入荷した時に急ぎの商品を優先して作業をし、他の商品は後で処理することができる。
お客様が発注をする時、急ぎの発注と急がない発注が混在していた時代のことである。
しかし、時代の経過とともにすべての企業が在庫を削減する方針に変わった。よって、発注する商品はすべて急ぎのものになり、入荷受け入れの優先順序が、ほぼなくなってしまったのである。
この様なお客様ニーズの変遷を把握していなければ、過剰サービスになり結局は物流コスト増になってしまうのである。

以上のように、なぜこの作業が必要なのかをよく精査してほしい。
昔からのやり方に流されていたのでは、疑問が生まれない。
「他のやり方があるはずだ!」という意識で取り組めば、不要な作業は必ず発見できるはずである。

次回は3月15日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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