第49回 配送の判断基準

配送運賃が適正であるかどうかを判断するためには、運送業者の選択方法が正しいかを精査しないと問題の有無がわからない。
しかし、運送業者を選択する上で制約条件があり、それが原因で配送運賃が高くなってしまうことがある。
今回はこの制約条件を整理した上で、適正な運送業者を判断する方法を解説したい。

一つ目は、お客様からの運送業者指定である。
お客様の要望であれば、運送業者の変更はできないと思う人が多いが、実はそうではない。
お客様の運送業者指定の理由は、いくつか考えられる。「午前納品の厳守」「運送業者の荷扱いの良さ」「運送業者のドライバーの身だしなみや言葉使いの好き嫌い」等である。
お客様は指定便という意識がなくても、その条件が対応可能な運送会社が1社しかない場合は、結果として指定便となってしまう。

例えば、お客様から午前納品を依頼された時点で、対応可能な運送業者が1社しかない場合は、それにあたる。
「運送業者の荷扱い」や「ドライバーの身だしなみ」に関しても、運送業者を消去法で考えた時に、残りが1社しかなければ同様になるのである。
しかし、検討当時は制約条件を実現できる運送業者が1社しかなくても、現在もその状況がずっと継続している可能性は極めて少ない。
再度見直しをし、運送業者を変えると運賃が安くなるのである。
しかし、配車担当者は運送業者を変更することにより、トラブルが発生するリスクを考えるため、変更をしない場合が多いのである。

二つ目は、運送業者への荷渡し時間である。一般的には、遠方の届け先であれば運送業者の集荷時間が早い。
また、個建便よりも路線便の方が、集荷時間は早い傾向がある。現在の出荷運用が、「運送業者集荷時間が、早い順にピッキングをしている」「当日出荷の受注締め時間が守られている」「ピッキングを短時間で行う仕組みができている」等、適切な出荷体制が整っていないのであれば、出荷の運用を見直すだけで運賃が安くなる可能性も大きい。

三つ目は、お客様の地域である。配車担当者であればだいたい知っていることであるが、市区町村別に、早くて運賃が安い運送業者はほぼ決まっている。
運送業者数を絞り込めば、どの運送業者に配車するか判断が少なくなるため出荷運用は楽になるのだが、その結果運賃が高くなったり、納品時間が遅れる問題が発生する。皆様の物流センターに見合った配送を検討してほしい。

四つ目は、物量である。
1ケース当たりの平均サイズや重量が、企業によって違うため一概には言えないが、1件当たりの個口数により運送業者を変えると、運賃が安くなる場合がある。
その理由は、運送業者の契約体系に起因するからである。この内容は後の章で述べたい。

以上の四つの視点で「物流サービス」「配送運賃」「出荷運用」を比較検討し、運送業者を検討すれば適正運賃に近づくことができる。

次回は4月26日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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