第27回 発注体制の見直し

今まで解説してきた様に発注ルールの見直しは必要であるが、発注部署の見直しも必要である。
読者の皆様は「物流プロジェクトで発注ルールを決めてそのルールに基づいて実行するのであるから、どこの部署で発注しても同じ。
であれば、現在と同じ部署がよい」と思われるのではないだろうか。
しかし、私の考えでは「新規商品は、商品企画部門が発注」「定番商品は、物流部門が発注」することが一番よいと思っている。
製造業を例にあげて考えてみたい。

一般的には、製造業は工場が製造計画をたてる。工場では製造効率を優先させることを部門目標としているため、必要数を製造する考えが低い。また、営業部門では前述した様に「欠品防止を主眼」にしており、また「商品別販売予測数」の精度は極めて低い。物流部門は毎日の出荷を肌で体験しており、「物流効率(保管効率、作業効率)のよい物量を計画出来、物流コストの削減が実現」できるのである。

ただ、それでは製造効率が悪くなると反論が出ると思う。
「製造効率が悪くなれば製造原価が上昇し利益が出無くなる」という意見である。
しかし、今一度考えてほしい。在庫削減の目的は、「顧客満足を実現しながら、経常利益を向上させる在庫政策」である。
製造原価が下がっても、物流費が上昇しては意味がない。
特に販売数の少ない商品に関して、問題になるかと思われる。

具体的に検討するためには、それらの商品の過去データを集計し、いくつかの製造ロットパターンごとの「製造原価、販売利益、保管費、物流人件費、輸送費」を算出して比較検討する。
(出荷数が少ない場合に製造ロットを維持した場合は、保管費や物流人件費(入荷人件費+倉庫整理人件費+倉庫間移動人件費+棚卸人件費)、輸送費(倉庫間移動輸送費)が増えることがわかると思われる)。
比較検討すれば、判断ができる。
なお、この手順は商品の荷姿(例えば、商品形状が大きい商品は保管費が増加)で大きく変わるので注意していただきたい。

今回の執筆をもって、第2章「在庫改革の進め方」は終了とする。
次号からは、第3章「物流クレーム改革の進め方」に入る。ご期待いただきたい。

次回は11月9日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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