第25回 保管費の削減

在庫改革は「適正在庫に近付ける(過剰在庫を削減、品薄在庫を増加)」ことが最大の目的であるが、その効果のひとつとして「保管費の削減」がある。本来であれば「在庫削減→在庫保管量減少→保管スペース減少→保管費削減」という手順が一番良いが、在庫削減ができなくても保管費を削減する方法をここでは解説したい。

在庫の保管方法は、商品の動きによって手段が変わる。
簡単に言うと「不動在庫は保管効率優先」「流動在庫は物流作業効率優先」となる。
また、「不動在庫」にも「死に筋在庫(デッドストック)」「過剰分在庫」がある。
一般的に、物流センターのフロアの高さは6m前後ある。特に海外生産の製造業では、国内に2~3カ月分の在庫をもたなければならず、パレット3~4段を積んで、倉庫の底面積を削減する必要がある。

少し豆知識になるが、パレット積みは棚置きの2倍以上の保管効率が実現できる。
この数字は通路幅、奥行きパレット数によって変わる。しかし、パレット積みは保管効率が良くても、フォークリフトによる上げ下ろしが必要になるため、出荷効率は極めて悪くなる。
ある会社で調査したところ、棚ピッキングの方が3~5倍の出荷スピードが実現できた。

よって、商品別に「作業効率を優先する在庫」と「保管効率を優先する在庫」を検討した上で、皆様の倉庫レイアウトにあった在庫配置を検討してほしい。
「過剰在庫商品」は出荷が多少はあるため、「二つのエリアに分割する」ことが望ましい。
例えば、1年分の在庫がある商品は、「1~3カ月分を作業効率を優先する在庫」「残りを保管効率を優先する在庫」とする。
ただ、商品の大きさ・フロア最大保管量の関係で、一概に言う事はできないので皆様の社内で判断をしてほしい。

また、保管費を削減する方法として、「坪単価が安い倉庫の活用」も考えられる。前述した「デッドストック」・「過剰分在庫」は、物流センターに置く必要が無い。
例えば在庫が1年分あれば、仮に3ヶ月分と9ヶ月分を分割し、9ヶ月分を坪単価が安い別倉庫に保管することも考えられる。
少なくとも2ヶ月前後は商品の動きは無いため、「物流センターが坪単価5000円」「別倉庫が坪単価2000円」とすると、保管費が60%削減できることになる。
但し、入出荷人件費と横持ち輸送費も考慮して、検討しないと逆に物流コスト増になる場合もあるため注意して頂きたい。

これと同様に棚の上の空間部分に中2Fを作り、外部支払保管費を削減する方法も考えられる。
この様に在庫を減らさなくても保管費を削減する方法もあるので、是非検討をして頂きたい。

次回は10月26日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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