第8回 物流改革の四つの視点

物流改革を成功させる視点が四つある。
「物流改革手順」「意識改革」「物流組織改革」「物流定例会の開催」である。

下図をご覧いただきたい。

「物流改革手順」とは、物流改善を進める上でのプロセスのことである。その中でも三つに分けることができる。

一つ目は小さな改善(第6回「物流の問題点の優先順位付け」参照)を地道に続けていくことである。

二つ目は難易度が高い改善である。「お客様を巻き込んだ改善」「他の社内部門と調整が必要な改善」「物流拠点の統廃合による改善」「共同物流等の他社と連携した改善」が挙げられる。

三つ目は大きな投資が必要となる改善である。「コンピュータシステムの導入による改善」「自動倉庫の導入による改善」などが挙げられる。色々な角度で検討をしてほしい。

「意識改革」とは、物流メンバーが「物流改善活動をすることも仕事である」という認識を持ってもらうことである。物流現場は他部署と同様に経費削減を進めてきた結果、必要以上に人数を削ってしまった企業も少なくないのではないだろうか。それゆえ、毎日の出荷が終わって、それで業務が終了ということになってないだろうか。同じ状況でも「物流改善」を進めている企業と進めていない企業では、売上金額の1%以上のコストに違いがあることは既に述べた。営業が売上予算を持っている様に、物流部門も物流改善予算をもって進めてほしい。

しかし、物理的に時間がないならば、いくら物流改革意識が高くても改善活動は進まない。そこで必要になるのが、「物流組織改革」である。改善活動に必要な期間が仮に6カ月とし、その6カ月間はパート等の増員をすることも一つの考え方である。

作業改革で20%の効率が上がったとすれば、作業改革終了後に増員されたパートを減らせば良いのである。また、今まで何度も述べてきたが、物流改革は全社参画の必要性があるため、全社物流プロジェクトを構築すべきである。物流執行役員を中心に活動をすれば、さまざまな改善が進んでいくことは間違いない。

物流改革をスタートした後は、最低でも毎月1回の物流定例会を実施いただきたい。計画通りに進んでいるのか、効果がどの程度出たのか、新たな課題がでていないか、などを物流プロジェクトメンバーで議論する。効果が出ていれば、会社の物流プロジェクトに対する評価が高くなり、ますます物流改善が進みやすい環境になる。

次回は6月15日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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