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第24回 欠品の抑制
欠品抑制の検討には、「売れ筋商品の欠品」と「売れ筋以外の定番商品の欠品」で分けて考えなければならない。
「売れ筋商品の欠品」は、「在庫改革の進め方:6.需要予測が可能か」で述べた様に予想以上に売れる商品を予測することは難しいため、発注忘れを防止する対策をたてるだけでよい。
予測がつかないものの対策を考えるよりも、経営者と営業と発注担当者で、いかにして精度の高い販売計画をたてるかに注力することが重要である。
一方、「売れ筋以外の定番商品の欠品」は対策が可能である。発注担当者は定番アイテムを多くかかえているため、全アイテムにきめ細かく気が配れない。
卸売業では、1人で3000アイテムの発注を行っていることも珍しくない。最初にすべきことは、欠品商品と品薄商品の可視化である。
その手順は、「在庫保有日数が少ない商品」を条件付きで抽出することから始める。
条件とは、「在庫が少なくても仕方がない商品(廃番品・売り切り品・シーズン外商品等)」をデータから除外することである。
在庫保有日数の許容範囲は、各企業・商品により異なる。例えば納品リードタイムが翌日というような商品の場合は、1週間以下という場合もある。
このリストで「発注が必要な在庫」が明確になり、当面は月1回の在庫プロジェクト会議で欠品・品薄になった原因を検討する。
その原因の例として、「発注遅れ」「現物在庫数過少」「入荷遅れ」がある。
「発注遅れ」に関しては、コンピュータシステムで発注検討のアラームが出る仕組みを作れば、大きく改善できる可能性がある。
「現物在庫数過少」は、現物在庫とシステム在庫の在庫数差異を無くせば解決できる。(在庫改革の進め方:9.在庫差異の改善)。
「入荷遅れ」には、「メーカー欠品」「コンテナロット満載待ち」「単純な入荷遅れ」等により対策が変わる。
これも仕入れ先別に傾向を見ていくと、注意すべき対策がわかってくる。
仕入れ先のレベルが低いからあきらめるということでは、いつまでたっても解決しない。
不具合をデータ化し、繰り返し仕入れ先に依頼をしつづけるのがポイントである。
仕入れ先も管理が厳しい企業には対策をたてるものである。
次回は10月19日更新予定です。
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