第36回 数量違いの改善

今回は出荷間違いの中でも「商品違い」と同等に多い「数量違い」に関して解説する。
数量違いの原因として、「数え方」が個人によって大きく違うことが問題である。
例えば、11個のバラ出荷があった場合、「1個ずつ数える」人もいれば、「2個ずつ頭で計算しながら数える」人もいる。
また、「その場で数える」人もいれば、「商品を移動しながら数える」人もいる。色々なやり方があるのであれば、間違いにくい数え方があると思う。

私が考える企業における物流ミス撲滅の第一段階の目標は、物流クレーム率が1/10000である。
計算ミスが1万回に1回でも発生すると、他のミスができないということになる。
出来るだけ数える時に計算をしない方が望ましい。

また、計算が例え合っていたとしても、数量違いが発生することもある。
1例を挙げよう。
1ケースの入り数が40個の商品があったとする。
バラ37個の出荷指示があった場合、ある人は「バラを37個数える」、またある人は「新箱から3個取り出して37個あると考える」。
後者の場合、新箱の入り数が40個であるという前提が必要である。
しかしながら、会社のルールにもよるが、例えば上蓋が閉じていれば「新箱」で、上蓋が空いていれば「新箱でない」というルールの会社があったとする。
なんらかの理由(例えば、新人がルールを知らずに上蓋を閉じたなど)でそのルールが守られていなければ「入り数40個」の前提が崩れ、後者の数え方ではミスが発生する。
これに加え、もともとの入り数が間違っている可能性もある。
海外生産の商品に多いと思うが、「全体の総数はあっているが、ケース入り数が違っている」という現象が日常茶飯事となっている企業も多いと聞く。
この様な現実があるのであれば、時間がかかってもバラをカウントする方が望ましいと思われる。

以上の様な数え方の対策に加えて、商品違いの対策と同様に「ミスの少ないピッカーのVTR撮影」「数量違いが多発する商品の棚への注意表示」「数量違いが多い商品の検品強化」「数量違いが多いピッカーの検品強化」「新人ピッカーへのミス事例の教育」「ピッキングリストの出荷単位の印字方法変更(○ケース+バラ△個)」も考えなければならない。
数量間違いの場合、出荷指示よりもピック数が少ない場合は「数えていない」という可能性が高いため、よく注意してほしい。
(多い場合もミスではあるが、数えた結果なんらかの原因で多くピックしてしまった場合が考えられる。特に薄い商品(紙、フィルムなど)の場合に発生する)

商品違いの対策でも紹介した「バーコード出荷検品システムの導入」も対策の一つではあるが、数量間違いの対策としては注意が必要となる。
仮にバラ19個の出荷指示の場合、「19回バーコードをスキャンせず、数量入力をした場合、数量間違いは無くならない」のである。
作業効率(=物流人件費)を優先するか、物流品質を優先するかは悩みどころである。
この様なことを物流メンバーの中で考えて、独自の社内ルールを作成してほしい。
これが企業マニュアルとなる。
あとはルールを定着化すれば出荷間違いは減少する。

次回は1月25日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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