第48回 輸送改革の目的

今回から第5章に入り「輸送改革」の解説をする。
今後も継続して購読をお願いしたい。

輸送改革は、お客様が要望する物流サービスを維持しながら、輸送費を適正化することを目的としている。
過剰サービスの判断基準が一番難しいところである。
また、輸送は3種類あり、お客様に商品を届ける「配送」、物流拠点間を移動する「横持ち輸送」、お客様から商品が返品される「返品輸送」がある。これに加え、工場や仕入先からの移動で発生する「調達輸送」を含めて四つを輸送と呼ぶ場合もある。
今回は輸送費削減の概要を解説したい。

一つ目は配送運賃の削減。
多くの企業は配送を委託している。
「路線便」「個建て便」「貸切便」「船便」「JR貨物便」「航空便」等がある。配送運賃適正化の視点としては、【1】運送会社選択間違いの是正、【2】運用ルールの見直し等がある。
運送会社の選択は、現在使用している運送会社の使い方を検証するところから始める。
運用ルールの見直しは、「当日出荷の締め時間」「在庫方針」「受注ルール」等を検討することで無駄な配送運賃を削減することができる。詳細は次号で述べたい。

二つ目は横持ち輸送費の削減。
在庫のコントロールをうまく行わないと、別倉庫に在庫を保管したり、複数箇所の物流センター間での倉庫間移動が多発する。
この横持ち運賃を、「倉庫の統廃合」「物流拠点別在庫戦略の見直し」「在庫金額の削減」を行うことにより削減できる。

三つ目は返品運賃の削減。
お客様からの返品理由が「誤出荷」「商品破損」「品質不良」等の自社原因である場合は、自社内の物流改善を実行する。
返品理由がお客様都合(シーズン入れ替え、理由なし返品等)であれば、難易度は高いかもしれないがお客様との受注条件の見直しを行う必要がある。
また、催事返品は「取扱商品の厳選」「催事の運営方法の見直し」等により自社努力により削減することもできる。

四つ目は調達輸送費の削減である。
通常の調達輸送費は、仕入原価に含まれる場合が多い。
よって、仕入先の輸送方法を適正化することにより、仕入先の運賃が削減出来ることにより、削減された運賃を仕入金額から減額してもらう方法である。
貸切便をうまく活用して商品を取りに行く方法でうまくいくことが多い。(代表例としてミルクラン方式等がある)

次回は4月19日(金)更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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