第20回 在庫アイテムの削減

在庫アイテム数の適正化は、全社で取り組まないといけない大きなテーマの一つといえる。
1年間で1個も売れていない商品であれば、廃番には誰も異議をとなえない。

しかし、少しでも売れている商品の廃番には営業が反対する傾向がある。
特に製造業の場合、最低製造ロットがある。売れていない商品は、最低ロットでも製造してしまうと半年分や1年分の在庫になってしまう例も少なくない。

しかし、在庫がいくら増加しても営業部門はマイナス評価されないため、少しでも売り上げや営業利益に貢献できる商品の廃番に反対するのである。
ましてや、お客様から他社にない商品があったことでお褒めの言葉を頂いた場合には、この事例を社内で強く主張する。

そもそも在庫アイテム数が多くなった場合、どの様な問題が発生するのであろうか?

一つ目の問題は「発注担当者の業務負荷が高くなる」ことである。
在庫を持つと、品薄になると発注せざるを得ないが非常に神経を使う。
売れていない商品を発注するといずれ過剰在庫となる可能性があり、将来的にデッドストックになる可能性もある。
そのため、ギリギリまで発注をしない方法をとってしまうが、アイテム数が多くなるとチェックが行き届かず、結果として欠品となる。

二つ目の問題は、「物流センターの置き場所の調整」である。
ただでさえ在庫が多いため、保管場所の調整に苦労をしているのに、あまり出無い商品が入ってくるのは、迷惑以外のなにものでもない。
以前お話した様に、このことが「物流作業時間の増加」「外部倉庫の保管費の増加」につながる。
物流部門では、経営者から「人件費と保管費の削減」を要求されているから、発注部門と物流部門が不仲になるのは当然の結果である。

三つ目の問題は、「在庫金額の増加」である。この内容は後日解説をしたい。
「売れない商品を廃番にし、売れる新商品を作る」ことが企業として必要なのではないだろうか?
そもそも、売れていない商品も営業がPRしているのか? PRしていない商品はお客様の認知度が低くなる。もちろん、注文はない。
また、営業も売れていない商品は積極的に売りたくない。発注ロットが少ない商品は営業原価が高くなる。
売れている商品は営業原価が低いため利益も大きい。
営業の心理としては、「売れない商品に力をかけて利益が少ない」よりも「売れている商品に小さな力をかけて利益が多い」方を取るのは当然である。

この問題を解決するには、「全社で廃番ルールを決定し、そのルールで発注部門が判断する」方法が一番よい。
結果としてうまくいかなかったとしても、発注部門の責任ではない。
全社で知恵を出して、見直せばよいだけである。

次回は9月21日更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンにわかりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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