第1回 中国人スタッフと仕事をするために

2003年から2010年まで、中国に赴任し、多くのお客様のIT環境構築をサポートしてまいりました。7年の駐在経験から得た、中国と日本の文化の違い、中国進出企業様が抱える課題などをテーマに執筆させていただきます。

第1回目は、中国人スタッフと仕事をする上で感じたこと、心がけたことをお話しします。
2003年6月末、当時の上司から「7月から中国赴任」を言い渡され、8月上旬中国上海へ旅立ちました。当時は中国語も全くわからず、不安もありましたが、そこは、若さとやる気で体当たりでした。

中国の文化も中国人のこともまだよく理解していない赴任直後のころ、中国人スタッフにある仕事をその日のうちに完了するよう依頼をしたところ、そのスタッフは勤務時間が来ると仕事を終えることなく、すぐに帰宅してしまうことがありました。次の日、出社後そのスタッフに対して社内で叱責すると、あくる日から出社しなくなり、そのまま退職してしまいました。
そこで学んだのが、「中国人に対して、大勢の前で叱ってはいけない」ということでした。プライドが高いと言われる中国人は、人前で叱られることを好みません。以来、中国人スタッフに対しては、個別に会議室などを利用して1対1で注意を促すようにしました。

駐在当時、少しでも中国人スタッフとの壁をなくすために心がけていたのが、中国人スタッフとの食事の場面です。日本人駐在者は、日本食レストランなどでランチ(30元~50元くらい)を取ることも多く、某有名コーヒーショップで20元ほどのコーヒーを飲むことも頻繁です。しかし、中国人スタッフのランチはローカルフードで5元程度。さすがに5元のランチを食べているスタッフの前で、高額な飲食はかなり気が引ける行為でした。そこで私は、できる限り中国人スタッフと同じローカルフードを食べるようにし、コーヒーも近所のコンビニで購入するようになりました。小さなことですが、こうすることで、スタッフとの壁が少なくなってきた気がします。

また、食事と言えば、思い出すのが「ニワトリの足」。日本では今や少なくなった社員旅行ですが、中国では社員に大人気で、家族も同伴許可をしている会社も少なくありません。当社も社員旅行は毎年実施しています。初めて社員旅行をした際に、バスの中で社員がおもむろに取り出したのが鶏の足でした。もちろん指が3本。それをとてもおいしそうに食べていました。もちろん、私にとっては初めて見た食べ物で、日本では考えられない食べ物でした。女性社員もむしゃむしゃ食べており、「美味しいのでどうですか?」と勧められました。断りたい気持ちももちろんありましたが、そこをぐっと我慢して、必死に美味しい顔をして食べました。これも、中国人スタッフとのコミュニケーションの一環ですね。

食事に関しては、多くのカルチャーショックがありました。日本ではおなじみのおでんや、煮卵など、中国でも手軽に食べることができます。その味は、日本のそれとは大きく異なり、最初のうちは腹痛に悩まされることもありましたが、気づけば中国の味にも慣れている自分がいました。また一度食すことで、中国人スタッフとの会話も増え、少なからずそれがスムーズにビジネスをする上での一助になったとも感じます。

現在、日本において、中国に進出するお客様とお話しする機会が多く、ITに関するお問い合わせもいただきますが、駐在される予定の方には、生活面でのアドバイスもさせていただいております。これから中国に進出されるお客様、既に中国進出をされているお客様、中国のことなら何なりとお問い合わせください。
また、本コラムのご意見ご感想もお寄せいただけると幸いです。

次回は2012年1月12日更新予定です。

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大塚商会の中国ビジネス支援

この記事の著者

株式会社大塚商会 プロダクトプロモーション部 新規・海外ビジネス課

劉 俊輝

中国国籍を持つが日本生まれ日本育ち。2003年から中国に赴任。大塚商会の中国法人上海・蘇州・大連を立ち上げ、7年の任期を終え2010年7月に日本帰国。中国進出する日系企業様に対し、ハードソフトの現地調達、ITインフラ構築、保守サポートなど1600社を超えるお客様のサポートに従事。

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