第5回 中国におけるインターネット事情

第5回目は、中国におけるインターネット事情についてお話をさせていただきます。

中国ではインターネットが遅いとか、繋がらないなどの話をよく耳にします。私が赴任当時には、ADSLが主流であり、何とかメールが開けるといった環境で、ちょっと重たい添付ファイルなどは、届かないことが日常茶飯事でした。ですが最近では、中国も光回線が一般家庭(一部のエリアのみ)でも引けるようになり、進歩の早さを感じます。

しかし、中国のインターネット事情は、日本とは大きく異なり、場所やビルによって引ける回線が異なります。いまだに光回線が引き込めない場所もあります。光回線が引き込めるビルであっても、回線使用料とは別に、管理会社が仲介料を取るようなビルも存在しますので、オフィス入居の際は、引き込める回線や料金体系なども事前に確認した方がいいと思います。

また、仮に光回線が引けるビルだとしても、日本へのアクセスが劇的に早いわけではありません。お客様から、会社で光10Mの契約をしたが、一向に早くならないなどの相談をよく受けます。中国では対国際通信の出口自体を絞っており、ゲートウェイや海底ケーブルで混雑して遅延が発生しているのが原因のようです。

また、グレートファイアウォール(検閲)といった問題が大きいのも理由として挙げられます。

さらに、日本でお馴染みのアメブロ・YouTube・Twitter・Facebookは中国からアクセスできません。一節には、中国に不利益になるサイトを自国民に見させない為の政策とも言われています。

ただ、最近ではVPNやプロキシをサービスとして提供し、検閲を超えてアクセスされる方も多くいらっしゃるとのこと。それもあって、2006年3月に政府も公安部82号条例などの法令をだし、企業に社員のインターネットアクセスログを取得させるような方策なども出ている為、ビジネスでインターネットを利用する場合には注意が必要です。

日本でもスマートフォンの話題が世間を賑わせておりますが、中国もスマートフォン社会。しかし、中国でスマートフォンは非常に高価な品物です。特にiPhoneなどは給料の1か月分以上する高級品。ですが最近では、かなり多くの方がスマートフォンを利用しています。

中国人はステータスを重視する方が多く、スマートフォンのみならず、高級車なども頑張って購入しているようです。(ですから、中国では非常に高級車が目立つんですね)

ちなみに、中国でも4Gについては電信局内で検証段階だそうです。韓国に次ぎ、日本もサービス提供が始まりましたが、国土が広い中国ではまだしばらく時間がかかりそうです。

次回は5月17日(木)の更新予定です。

この記事の著者

株式会社大塚商会 プロダクトプロモーション部 新規・海外ビジネス課

劉 俊輝

中国国籍を持つが日本生まれ日本育ち。2003年から中国に赴任。大塚商会の中国法人上海・蘇州・大連を立ち上げ、7年の任期を終え2010年7月に日本帰国。中国進出する日系企業様に対し、ハードソフトの現地調達、ITインフラ構築、保守サポートなど1600社を超えるお客様のサポートに従事。

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