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第12回 中国の一人っ子政策
今回は中国の有名な一人っ子政策についてお話したいと思います。
1979年に始まった一人っ子政策ですが、最近一人っ子政策の緩和を検討しているという記事を目にしました。
過去何度かそういった話は出ていたものの、周体制になって実現味を帯びてきたように感じます。
中国では、2025年に60歳以上の人口が3億人を突破すると予想されているので、日本以上に高齢化社会の予備軍大国になろうとしています。
当然と言えば当然かもしれませんが・・・
中国では夫婦共働きは日本以上であり、子供の面倒は祖父母が面倒を見て、幼稚園や小学校の送り迎えも祖父母が行うのが一般的です。
事実上6人(父母と双方の祖父母)が一人の子どもを甘やかし、子どもにすべてを与えるなど、親による過保護が増え、その結果、自主性の欠ける子・自己中心でわがままな子・あまり叱られた経験のない子が育つと警告されています。
こうした一人っ子のことを「小皇帝」と呼んでいるそうです。
こうして育った子供が成人するとどうなるでしょうか。
第1回のコラムでも少し触れましたが、これまであまり怒られたことがない方が、日系企業でいきなり勤めると、言葉はできたとしても色々な弊害が起こり、すぐに放棄してしまうといった事象が出てしまいます。
現在では、一部の都市によっては、一人っ子同士の間では、二人目の出産が認められるなど、徐々に一人っ子政策が規制緩和してきているようです。
少し前までは香港に行って出産して帰ってくる話をよく耳にしましたが、現状は戸籍を取る際にかなり罰金があると聞いてます。
この罰金の制度も戸籍取得や小学校入学など段階的に毎回費用を課しており、国民からは不満がでているようです。
一人っ子政策の緩和が本格化することで、中国の市場活性化も含めて色々な意味での我々日系企業にとってのよい側面が出てくるのではと感じています。
次回は2013年1月31日(木)更新予定です。
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