第20回 人材ポートフォリオ監査(J社事例2)

□従業員意識調査によって意外な事実が・・・
労務諸表の作成に合わせて、従業員の意識調査を行い、業績と雇用満足度との関係を調査しました。

<調査項目の一部>

意識調査の結果である雇用満足度S(=Employee Satisfaction)と会社の業績P(=Business Performance)とを照らし合わせた「P/S評価」によって、好業績をもたらす人材ポートフォリオを最適化するための条件を探っていくことができるのです。

J社は、T社1社に売上の70%以上を依存しており、T社からの受注の多寡が、そのままJ社の業績に直結しています。
毎月、ある程度の注文を見込むことができる半面、T社の下請けメーカーとしての立場に起因した社員のモチベーション低下が、意識調査の結果から明らかになりました。

□意識調査の結果、明らかになったこと

  • T社からの受注次第で大幅に変動する生産計画
  • T社から言われた通りに、ものを作るだけの製造部門
  • T社対応に追われ、新規営業に時間を割けない営業部門
  • T社からのコストダウン要請で手いっぱいの開発部門
  • T社次第の予算計画・資金繰り  など

創業から50年を経て、J社の成長ステージは、どうやら完全に「成熟期」に入っているようです。
T社からの安定的な受注が、会社の業績を維持しているという事実があるにせよ、5年後の経営承継に向けて、何か手を打つ必要があるのは明らかです。
このままでは、5年経たずに、次のステージである「衰退期」に突入してしまうのは確実です。

<企業ステージとP/S評価>

<J社の企業ステージ>

次回は10月24日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

社会保険労務士法人 大野事務所

大野 実

社会保険労務士法人大野事務所 代表社員。青山学院大学大学院兼任講師【経営労務監査法務】。
開業以来35年、経営労務監査や労務診断等を多く手がける。
栄える会社のキーワードを「顧客支持」「社員活性化」「社会調和」と考え、「社員」が生き生きと働ける処遇制度やシステム構築のための設計から運用・実務に関する支援業務を行っている。
社会保険労務士法人 大野事務所

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