第17回 経営労務監査の視点と構成

◆経営労務監査のご案内
企業統治と内部統制整備の重要性が求められています。
しかし新聞を開けば相変わらず企業不祥事の記事を見つけるのに事欠きません。
このような事態を招かないために、最も大切なのは経営陣の内部統制に対する高い倫理観と断固たる意志であることは間違いありません。

さて、そのような企業姿勢を労務管理サイドからサポートする手法、ツールとして経営労務監査があります。
経営労務監査は、企業の人材マネジメントを継続的に改善していくためのセルフ・チェック・システムともいえます。
その概要を紹介させていただきますので、是非ご活用いただければと思います。

【1】経営労務監査の視点と構成
経営労務監査は、企業経営において人材マネジメントが効果的に機能することを目的として、企業とそこで働く人々が共に成長していくことを基本的な視点としています。

全体の構成は、「労務コンプライアンス監査(企業の労務管理の労働法令への適応状況等をチェック)と人材ポートフォリオ監査(人材配置の適切性に関する状況等をチェック)」を2本の柱とし、これに従業員の職務遂行についての「従業員意識調査」を加えた3部構成です。

<経営労務監査の全体像>

【2】労務コンプライアンス監査
組織的経営であるためには、だれが経営者になっても、その会社の人材マネジメントの仕組みがうまく機能するようなルール・仕組み作りが求められます。
将来にわたって継続的かつ効果的に機能していく人材マネジメントの仕組みが必要になるのです。
この仕組み作りは、その骨格となる組織、職務分掌、職務権限体制などの確立と人事制度、人事労務関係の規程・協定・法定帳簿などの整備を通して行われます。

経営労務戦略の立案にあたっては、まず、現時点における人材マネジメントの仕組みを正確に認識し、解決すべき課題を把握するために、これらの整備状況などをチェックしていきます。

これを「労務コンプライアンス監査」といいます。

労務コンプライアンス監査では、設定した会社の基本戦略、人事の基本方針を確認した上で、制度運用上の問題点や違法とはならないまでも、リスクが大きく望ましくないと考えられる点などの洗い出しを行っていきます。

【3】人材ポートフォリオ監査(+従業員意識調査)
会社は、一定の経営目的のために、「ヒト」「モノ」「カネ」の経営資源を投下し、事業活動を展開していきます。
このうち「ヒト」という経営資源の会社組織への投下状況が、その経営目的・経営計画に照らして適切かどうかをチェックしていく作業が「人材ポートフォリオ監査」です。

次回は9月12日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

社会保険労務士法人 大野事務所

大野 実

社会保険労務士法人大野事務所 代表社員。青山学院大学大学院兼任講師【経営労務監査法務】。
開業以来35年、経営労務監査や労務診断等を多く手がける。
栄える会社のキーワードを「顧客支持」「社員活性化」「社会調和」と考え、「社員」が生き生きと働ける処遇制度やシステム構築のための設計から運用・実務に関する支援業務を行っている。
社会保険労務士法人 大野事務所

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