第24回 高収益企業は実践している!業務システムに必ず欲しい四つの機能

【1】「第2の利益」を生みだすシステムの機能ポイント
前回コラムでは、経営改革を実践するため粗利管理を中心とする業務システムを導入したA社の事例をご紹介しました。
A社のシステムでは粗利益中心の業務管理を実現するための機能以外にも、いくつかの特徴的な機能が搭載されていました。
これらの機能は業種や業態に限定されないシステム全般に必要とされる機能であり、管理体制の向上、すなわち「第2の利益」を獲得するための機能として重要なものばかりです。システムの導入により業務効率化、生産性向上、高収益化を目指すのであれば必ず考慮しておきたい機能ポイントになります。

<「第2の利益」獲得のために必要な機能ポイント>
1 統合データベース
2 シングルインプット(二重入力の削減)
3 ワークフロー(電子申請・承認)
4 アクセス権限設定

これらは「販売管理体制(販売プロセス)」「購買管理体制(購買プロセス)」などの各業務プロセスの整備に有効に作用し、経営戦略をはじめ、労務戦略・税務戦略の実現に効果を発揮します。
具体的な機能検討の際にはぜひ留意されることをお薦めします。

機能[1] 統合データベース
「得意先」「仕入先」「従業員台帳」などの情報が一箇所に集約され、販売・購買・労務などすべての業務プロセスにおいて、同一データベースの情報が参照される仕組みです。

情報を一箇所に集約することで、全社における情報共有が効率化されます。また、データベースへの登録には申請を必要とし、特定の担当者だけが登録できるよう権限を限定することで、反社会的勢力との取引や、架空発注を防ぐ管理体制を構築することができ、「第2の利益」が生まれる余地を作りだします。

機能[2] シングルインプット(二重入力の削減)
一度入力した数字・データが再入力されることなく活用されていく仕組みです。例えば、営業担当が入力した売上計上金額が、そのまま請求書、売上伝票、債権管理などに活用され、経理部などその情報を受け取る他部門では数字のチェックおよび必要な修正だけを行う体制です。

データの再入力や転記は、人的ミスを誘発するポイントとなるため、二重入力を削減することにより財務諸表の信憑(しんぴょう)性を大きく高めることができます。
企業によっては三重、四重入力が定常化している例も見受けられますので、このような企業ではシングルインプット実現による「第2の利益」の獲得が大きく期待できます。

統合データベース・シングルインプットのイメージ

機能[3] ワークフロー(電子申請・承認)
ここ数年で「ワークフローシステム」と呼ばれるものが一般化してきました。申請を電子化し、その申請種別ごとにあらかじめ定められた承認者や、決裁ルートに従ってデータが配信され、決裁が行われるシステムのことです。

「見積プロセス」「受注プロセス」を例に上げます。営業担当がシステム上で作成した見積内容、また受注前の与信確認などが定められた承認ルートにそって関係各位に電子データとして通知されます。
A社の事例では、正式な承認を経なければ見積書の発行や、受注手配ができないよう、個別の業務処理機能と連携する仕組みを採用していました。

A社事例におけるワークフロー(電子申請・承認)のイメージ

ワークフローシステムの活用により、本章冒頭に述べたA社事例のように、規定の利益額を下回る契約・受注を事前に防止するなど、利益の向上に直結する経営管理を行うこともできます。
また、書類を利用した申請に比べ、承認までのスピードや効率が向上することが多いのも特長です。

機能[4] アクセス権限設定
受注業務、売上計上業務、請求書発行業務、債権管理業務など、それぞれの業務において、特定の担当者しか業務を担当できないようシステムの利用に制限をかけることができる機能です。
システム活用により内部統制の強化を目指すのであれば必須の機能となります。

担当者によって業務システムの利用範囲に制限をかけることで、職務分掌ごとの業務範囲をより厳格に限定できるようになります。
また、業務プロセスを複数人で分担しダブルチェックをかけることで、ミスや不正の防止にもつながります。

ここまで述べた四つの機能は、現在のシステムにおいては標準的、一般的になっている機能がほとんどです。
システムにより代替できる、あるいは効率化できる業務を把握することは、管理体制の構築とその実現方法を模索する上で大きなヒントになりますので、ぜひ記憶にとどめていただきたいと思います。

次回は7月24日(水)の更新予定です。

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