第27回 失敗しないシステム導入のポイント(後編)

前回コラムより引き続き、システム導入を成功させるためのポイントについて解説をいたします。
前回コラムでは、五つのポイントのうち、「point1:導入目的・成功の定義が明確である」「point2:部門最適・部門の壁にとらわれない」について解説をしました。
今回は、残る三つのポイントについてご説明をします。

【1】失敗しないシステム導入 五つのポイント
point1.導入目的・成功の定義が明確である
point2.部門最適・部門の壁にとらわれない
point3.適切なベンダー選定・パッケージ選定
point4.機能要望、導入範囲を広げすぎない
point5.見えないコストを考慮する

<Point3:適切な業者、パッケージ製品の選定>
システムの導入・開発を担当する業者は、少なくとも2~3社には声をかけ、比較検討を行うべきです。
複数社を検討することにより、費用の相場や、自社の業種・業態に必要となる(同業他社が取り入れている)機能の概要がつかめてきます。

また、すでに完成されているパッケージ製品を検討する際も入念な調査が必要です。
現在パッケージ製品は業種ごとに機能の特化が進んでおり、また、製品ごとに利用推奨される企業規模にも違いがあります。

業種や企業規模に適合しないパッケージ製品を導入すると、大幅な機能の改修・追加が必要となったり、身の丈にあわない導入費用がかかるなど、「こんなはずではなかった」というケースが起こりがちです。

導入費用の安さや、一部機能だけを重視した選定、また、昔から懇意にしているからなどの特殊な要因に左右されず、適切な業者、パッケージ製品を選択することが必要です。

<Point4:機能要望、導入範囲を広げすぎない>
システムは、経営や業務を劇的に変えてくれる「夢のハコ」のように捉えられることは少なくありません。
結果、システム導入の際には、あれもこれもと機能要望が膨れあがり、導入範囲が大きく広がる傾向にあります。
しかし、ここで安易な機能追加や導入範囲を拡大することはシステム導入の失敗要因になりがちです。

機能・導入範囲の決定を行う際は、そもそもの成功の定義に立ち返り、この機能は成功の定義に影響を及ぼすのか、という観点から機能選別を行うことがとても重要になります。
また、一度に全部ではなく、1次導入、2次導入と段階を区切りながら、その段階ごとで達成すべき目標をクリアしながら、少しずつ成功に近づく段階導入・部分導入という方法を検討することも必要です。

<Point5:見えない導入コストを考慮する>
システム導入は、提出された見積金額だけで判断を行うことは賢明ではありません。
システム導入にともない、見積には記載されない様々な関連コストが発生することを事前に考慮することが必要です。

【システム導入時に発生する費用の例】
・導入から稼働までに発生する導入担当者の人件費
・システムを利用する部門・社員への教育費
・システム導入後に発生する機能追加、機能改修の費用
・消費税率改定などの法改正に伴う対応費用
・データの保全など保守・メンテナンス費用

一般に、システム導入は上記のような当初に予測しえないコストが発生することが多いため、予算については事前に多く見積もることが必要です。
予算に余裕のない導入プロジェクトでは、想定外の事態が発生した際の対応に苦慮するケースが多くなります。

【2】システム導入の成否は、経営者・経営管理者にかかっている
以上、失敗しないシステム導入のためのポイントをご説明しました。
繰り返し申し上げますが、システムは導入するだけで劇的な改善が得られる「夢のハコ」ではありません。
経営戦略にそってシステム導入のゴールを明確に定め、また、導入後もその成功定義がクリアできているかどうかを継続チェックし、改善を続けていくよう社内をマネジメントしていくことが重要です。

システム導入の成否は、まさに社長の肩にかかっているのです。

次回は10月23日(水)の更新予定です。

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