第10回 中小・中堅企業の次世代への経営承継―その6  なぜ専門家による「トータル支援サービス」が必要なのか?

経営承継の四つのストーリーである親族承継・MBO・MA・IPOのメリットとデメリットについて、前回までにお話をさせていただきました。実際に各ストーリーを実行していくためには、「経営承継計画」の作成が必要となります。

「経営承継計画」とは、従来の相続税対策および後継者教育を中心とした事業承継計画だけではなく、承継する会社をオーナーの属人的経営スタイルから、組織的な経営にするための経営管理戦略・労務管理戦略・税務戦略を含めた総合的な事業の承継のための計画であります。

「経営承継計画」は、各分野で高度な知識と豊富な経験を積んだ専門家の「トータル支援サービス」により作成されることが重要になってきます。各専門家の求められる役割ですが下記の様に高い専門能力が必要になります。

  1. 税理士
    これまでの事業承継では、相続税対策という面で中心的なアドバイスの役割を担ってきましたが、これからの経営承継では、連結納税制度やグループ法人税制、組織再編税制などの、企業まわりの税務を含めたトータルアドバイザーとしての役割が重要になります。
  2. 弁護士
    法律の専門家として、法人・個人の両面からアドバイザーとして重要な役割を担います。経営承継では遺言関係だけではなく、組織再編などの法律業務も重要です。法律手続きの瑕疵(かし)は致命的なので豊富な経験が求められます。
  3. 社会保険労務士
    経営承継前後における役員・従業員のモチベーションの維持・向上、労務コンプライアンスという点で、重要な役割を担います。
  4. 経営管理コンサルタント
    内部管理体制の構築・構築支援業務など、会社経営の組織的な経営管理体制の整備に重要な役割を担います。
  5. システムの専門家
    内部管理体制の構築にあたり、効果的なシステム投資のアドバイスをします。適切なシステム投資ができるかは、アドバイスをするシステムの専門家にかかっています。

専門家と言われる人たちも、それぞれの専門分野のすべての業務に精通しているわけではありません。また経営者から各分野の専門家の得手不得手を判断することは難しく、さらに各専門家と個別に契約をすることは非効率的と考えます。

従いまして、これからの経営承継の局面では、少なくとも上記の役割を担える豊富な経験を持つ専門家のプロジェクトチームによる、「トータル支援サービス」を受けることが必要であります。専門家なら誰でもサービスができるのではなく、選りすぐりの専門家だけが対応できるサービスと考えます。

私が代表の(株)プロネットはさまざまな専門家とネットワークを結び「トータル支援サービス」を展開しておりますが、今後オーナーのニーズに応えるために「トータル支援サービス」が、ますます求められると考えます。

次回は6月6日(水)の更新予定です。

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