第8回 スマート社会を見据えたプレイヤーたち<4>

今回は、スマート社会の柱の一つとも言われる電気自動車(EV)領域において、未来を見据えて事業を展開している事例をご紹介したいと思います。

米国や国内の大手自動車メーカーが次々と電気自動車を投入している中、その普及のベースとなる充電ステーションというインフラ整備に挑戦している、米国カリフォルニア州に本拠地を構えるベンチャー企業、「ベタープレイス」です。

2007年に設立されて以降、2011年11月の調達(2億ドル)も含め、トータルで約800億円を調達し、約1,800億円の時価総額を誇るベンチャー企業です。同社会長は「消費者がEVを使いやすいように環境を整えつつあり、人々が不都合を感じなくなればEVを買い始めるだろう。その時期は2015年か2016年だ。」と見据えています。

同社は、独自のEVを用いた充電サービスを提供しており、従来の概念である「充電をする」発想ではなく、「満タンの充電池に交換する」という新しい発想によるインフラ(ステーション)を整備しており、同社専用のEVを購入した顧客は、走行距離によって月々の使用料を支払うというモデルです。

ユーザは電気自動車(車両)を所有し、バッテリはベタープレイスからリースする形となり、普通に電気自動車を購入するケースと比較すると安価に購入できるというメリットがあります。また、充電にかかる時間コストについても(現在急速充電器でも30分はかかる)、電池を交換するだけなので大幅に短縮できます。

現在、仏ルノー、イスラエル政府、デンマーク政府と提携してイスラエル、デンマーク、オーストラリアにインフラネットワークを敷設しており、イスラエルでは既にネットワークが稼働しています。

同社のCEOはIT業界(独SAP)出身、という点も特筆すべき点です。交換するための自動車の構造共通化という課題、インフラ整備における投資回収期間という課題等、大きな課題(チャレンジ)はありそうですが、既存の発想を根底から覆すビジネスモデルでIT業界から参入、EVの普及への大きなきっかけとなりうる楽しみな企業です。

次回は5月1日(火)の行進予定です。

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